胸騒ぎと歓喜

2023試合結果


ヤクルト3xー2中日(延長11回)

投手陣が粘る中で、途中出場の中村が延長11回にサヨナラタイムリーヒットを放ってみせた。歓喜のサヨナラ勝利である。しかし個人的には「胸騒ぎ」がしている。それは先発の石川雅規についてである。プロ22年目の43歳という数字を見ただけでも大ベテランということが分かるのだが、前回の中日戦、今日の中日戦と、決して状態が良くない中日打線に打ち込まれてしまっているのである。石川については、2017年辺りから年齢による衰えを指摘される回数が増えた印象があるのだが、私自身は、石川の投球自体について、このブログではっきりと衰えを指摘したことはほとんどなかったと記憶している。スタミナ面については、流石に若い頃のようには行かなくなってきたことは感じていたが、それ以外は、先発としての役割を果たせるだけの力を維持していると思っていたし、石川の勝ち星の為に、石川を登板させている(いわゆる聖域扱いをしている)と感じることは一度もなかった。今日の段階でもそういった思いは抱いていないのだが、各打者にしっかりスイングされ、捉えられる場面が目に見えて増えてきていることは気になる。悪いなりに5回2失点でまとめたという見方も出来なくはないのだが、私自身は、今日は中日打線の拙攻に助けられた中での5回2失点という見方をしている。正直石川に関してこんなに不安を抱くのは、おそらく初めてのことである。

石川は、前回の登板では、中日相手に2回2/3を投げ、被安打6の3失点(自責点は2)という数字が残り、負け投手となっていた。味方のエラーが絡んでの失点もあったのだが、ピッチャーズパークと言われるバンテリンドームで、状態が良くない中日打線に打ち込まれてしまった。確実にアウトを取らなければならない若手打者や実績が少ない選手にも打ち込まれてしまったことが気になっていたのだが、今日も前回と同じような展開になってしまった。初回こそ無失点で立ち上がったのだが、味方打線が2点をプレゼントしてくれた直後の2回に石川昴にソロホームランを浴びるとその後もピンチを招き、木下に同点タイムリーを許してしまった。続くピンチは何とか凌いだのだが、何とも危なっかしい投球内容となった。3回、4回もランナーを3塁まで進めてしまう綱渡り的なピッチングになってしまった。3回は細川、福永の若手を何とか抑え、4回は古賀の牽制で3塁ランナーを刺し、無失点で抑えたのだが、もし4回裏にチャンスで打席が回ってくれば、代打を送られる可能性もあったのではないか?と感じてしまう程に抑えるイメージが湧かない投球内容となっていた。それでも続投した5回は大島、アキーノ、岡林という上位打線を三者凡退で抑えたため、そのことに光明を見出したいのだが…今回ばかりはどうにも嫌な胸騒ぎがするのである。そんな私の不安を払拭するような投球を次回の登板で見せてくれるのだろうか?次の登板も同じような内容だった場合は、中10日のローテも崩す可能性があるのではないだろうか?特別調子が悪い訳でもなく、石川の勝ち気が裏目に出て、ビッグイニングを作られた訳でもなく、シンプルに石川のボールが通用しなかったように感じたことが気掛かりである。
6回以降は、リリーフ陣が、中日打線を力で上回ってみせた。6回に木澤が2つの四死球でピンチを招いてしまったのだが、長岡のビッグプレーもあり、勝ち越し点は許さなかった。現状ヤクルトは打線が低調だけに1点でも勝ち越されたくなかった場面での長岡の好守は試合展開に影響するほどの非常に大きなプレーとなった。
7回以降は、星ー清水ー田口と1イニングずつ抑え、10回、11回は大西が2イニングを任された。各投手しっかり役割を果たしたのだが、特に2イニングを任され、パーフェクトに抑えた大西のピッチングは出色の出来だった。ピーターズが急遽登板出来なくなった4月8日のゲームでも2イニングを任されているのだが、今日も石川が5回で降板し、延長戦に入ってしまったため、いずれかの投手がいつも以上に負担を背負わなければならなかった。こういった時に投げてくれる大西の存在はチームにとって非常に大きな存在となっている。球威も上がっている印象であり、シュートとカットボールで右打者、左打者関係なく内外角を広く使えているのが、今の大西である。高津監督はリリーフ陣に関しても負荷がかかり過ぎないように登板間隔を空けるなどの配慮をしているのだが、そのためには大西のような投手の存在は絶対に必要である。今日は好投したところに勝ち星も転がり込むという最高の展開となった。

打線は、今日は1番セカンド武岡、2番レフト青木、3番ライトサンタナ、4番サード村上、5番ファーストオスナ、6番センター太田、7番ショート長岡、8番キャッチャー古賀、9番ピッチャー石川と組んできた。本日1軍に昇格となった武岡を即スタメン起用、太田はセンターで起用、打撃で中々結果が出ない内山に代わって古賀がマスクを被る形となった。
初回に武岡のヒット、青木の四球でチャンスを作るのだが、サンタナ、村上が倒れ、2アウトとなってしまい、このまま抑え込まれてしまうと嫌な流れになってしまう所だったのだが、ここでオスナがレフト線へ先制タイムリー2ベースを放つと、中日レフトアキーノがクッションボールの処理を誤っている間に1塁ランナーのサンタナもホームに返り、2点を先制することに成功した。中日先発の柳は丁寧な投球を披露していただけに、ここでオスナに一本が出なければ、かなり苦しい展開になったことが予想される。その中で初回に2点を奪えたことは後々のゲームに与えた影響は大きかったと思う。
その後は、現在のヤクルト打線を象徴するような、拙攻の連続でチャンスで一本を出すことが出来ない展開となってしまった。この辺りは、ヤクルトだけでなく中日にも言えることなのだが、チャンスを作っても得点の匂いがしないという何とも冴えないゲームにもつれ込むこととなった。
両チームともに1点が奪えない展開で迎えた11回裏に先頭の長岡がバットを折りながらもセンターにヒットを放ち、出塁すると並木が送りバントを決め、1アウト2塁とサヨナラのチャンスを迎える。ここで10回からマスクを被っていた中村に打席が回ると、その中村がセンターへサヨナラタイムリーヒットを放ち、勝負を決めてみせた。11回の攻撃についてはシンプルな攻撃であったが、下位打線で繋いで奪った1点であり、明日以降につながる得点になったのではないだろうか?
山田、塩見を欠き、村上をはじめとする他の打者の状態も上がらない中では、こういったロースコアのゲームをいくつ拾えるか?という部分がポイントとなる。今日に関しては、そういったゲームを拾うことが出来た。今後もこういったゲームが多くなりそうである。




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コメント

  1. sabo より:

    石川の投球はダイジェストでしか見れてませんがコントロールに苦慮しているように見えました
    今の石川のレベルでは緩急だけでは厳しい
    低めの制球はもちろんカットとシュートでコースぎりぎりを出し入れが一昨年なんかはバシバシ決まってました
    もちろんこの不調のまま石川が終わるとは思っていませんが次の登板はしっかり調整してほしいですね
    二軍ではピーターズが復帰してます。ピーターズが復帰すれば先発の残りの枠は一つ。誰が投げても投げ抹消かもしれませんが高梨原樹理エスピナル山野そして石川で競争かもしれません

    試合は中村が劇的サヨナラタイムリーで決めて流石でしたが古賀も良い目立ち方をしてましたね
    また毎度のピンチで前進守備をしくはめになりドキドキでしたが、長岡のファインプレーもありなんとか凌げて良かったです

    個人的には今の貧打線は打撃コーチの責任とは考えてませんが全体的に(特に若手)ちょっとスイングがコンパクト過ぎるように感じるときがあります。10回の丸山のセーフティバントもベンチの指示か本人の意思か分かりませんがちょっとちぐはぐに感じました。

    結果的に単打バント単打で勝ちましたけど

    • fiys より:

      saboさんへ

      私も石川は修正してくれると信じているのですが、ここまでの2試合の投球を見ていると、相手打者に気持ちよくスイングされてしまっているように感じ、不安を感じます。

      古賀もしっかりアピールしてくれましたよね。

  2. 超匿名 より:

     今季の石川が残す数字には私も不安を感じています。まだ中日相手だけなので最早通用しないのかという判断には早いでしょう。少なくとも相性の良い交流戦が終わるまではチャンスを与えて欲しいと思います。

    • fiys より:

      超匿名さんへ

      石川は、中日戦は安定している印象があったんですけどね。次回の登板でどんな姿を見せてくれますかね?

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