清原和博氏逮捕

警視庁は2日、覚せい剤取締法違反(所持)の疑いで、元プロ野球選手で西武や巨人などで活躍した清原和博容疑者(48)を現行犯逮捕した。PL学園高時代は桑田真澄氏(47)との「KKコンビ」で甲子園を沸かせ、プロ入り後は通算525本塁打をマーク。ファンから「番長」と呼ばれた男にとって、現役時代には想像できなかった転落となった。
(サンケイスポーツ引用)

野球ファンにとってはあまりにも悲しく衝撃的なニュースが飛び込んできた。清原容疑者に関しては、これまでも薬物使用疑惑が報道されることがあり、メディアへの露出も減っていたため、「青天の霹靂」と言ったような印象よりは「噂は本当だったんだ…」という印象のほうが強いのだが、一野球ファンとして大きなショックを受けている。

私は世代的に高校時代の活躍はリアルタイムでは知らないのだが、桑田氏との「KKコンビ」はあまりにも有名であり、プロ入りまでの経緯、その後の活躍含めて1980年代~2000年代の野球界全体を引っ張ったスタープレーヤーであることは間違いない。

個人的にはプロ野球を見始めた頃からのヤクルトファンではあるのだが、92年の日本シリーズで西武に敗れるまではパリーグでは西武を応援していた。そして清原容疑者も好きなプレーヤーの1人だった。カルビーのプロ野球チップスの当たりカードを集めて清原選手のブロマイドを手に入れたのも幼き日の思い出として記憶に残っている。
当時の西武は魅力的な選手が揃っていたのだが、チームとしても「最強」という言葉がピッタリ来るような素晴らしいチームを作り上げていた(根本氏を中心として強引な選手獲得術があってこそという評価もあるが…)。そんな黄金時代の西武で4番を任されていたのが清原容疑者である。高卒1年目のルーキーイヤーから打率.304、本塁打31本というものすごい成績を残すと、その後も西武の顔として活躍し続けた。この頃の清原は「番長」という雰囲気は全くなく、チームの勝利のために野球が出来る勝負強い優秀な4番打者という印象が残っている。私の記憶の中では「清原の西武」という印象は全くなく「最強西武の一部に清原がいる。」という印象を持っている。

しかし西武の黄金時代も終焉を向かえ、FAで巨人に移籍してからの清原は、どこか迷走を繰り返していたような印象が残っている。「番長」とマスコミに呼ばれ始めた頃には、選手としての成績は徐々に落ちてきていたと記憶している。その頃からはマスコミの取り上げ方も野球選手としてのプレーを取り上げるよりも清原のキャラクターを面白おかしく取り上げることの方が増えていったように感じる。この頃には私が応援していた清原の姿はなかった(もちろん番長と呼ばれ始めた以降に熱狂的なファンになったという方々も数多くいるとは思うのだが…)。しかし今思えばこの頃の清原は、すでに本来の姿を見失ってしまっていたのかもしれない。本来は野球が大好きな素直な人間だと思うのだが…最終的には首脳陣ともぶつかり、巨人を自由契約になると移籍先のオリックスでは怪我に苦しみ、2008年に引退している。

その後はテレビのドキュメンタリー番組などで清原容疑者の姿を目にする機会があったのだが、引退後も自分の居場所を探せずに苦しんでいると言うような主旨の発言が本人の口から聞かれることが何度かあったように記憶している。あれだけのスター選手でも引退後の生活に苦しむのだなあ…と漠然と感じていたのだが、こんなことになってしまうとは…

高校時代~西武時代辺りまでは圧倒的な実力でスターの座を掴み取ってきた正真正銘のスタープレーヤーだったと思うのだが、いつの間にか実力ではない部分にスポットライトが当たるようになってしまっていた。野球選手としての数字が下がってきても必要以上に持ち上げられてきた部分もあったのかもしれない。

野村克也氏がテレビ番組の中で清原容疑者のことを「本来であれば今頃監督をやっていなければならない。何で声がかからないの?普段の素行に問題があるんじゃないの?西武に入ったときの監督の森監督におまえがしっかり教育しないからいけないんだと伝えたことがある。本当なら王氏のホームラン記録を追える存在だったはずだ。天性だけでやっているから、惜しい。左の王、右の清原と呼ばれていてもおかしくなかった。」というようなことを語っている。
野村氏は清原の才能を高く評価していたのだと思う。しかしその有り余る才能を上手く活かせない清原にもどかしさを感じていたのではないだろか?そして一プロ野球選手である前に一社会人としての人間教育の必要性を訴えているように感じた。

プロ野球選手に限らずプロスポーツ選手はなんと言っても技術の向上に努めていく必要があり、その選手を支えるコーチや監督も1番にはチームの勝利や個人の技術の向上を考えて指導するのかもしれない。しかし今回の清原容疑者逮捕の報道に触れて本当にそれで良いのだろうか?と強く感じることとなった。
野村氏も言っているように人間教育という部分をおろそかにしてはいけないのかもしれない。どんなに才能に溢れたプレーヤーでもいつかは引退しなければならないときが来る。その後の人生をより豊かなものに幸せなものにするためにプロスポーツ界も考えていかなければならないのかもしれない?
このニュースを受けて様々な人たちが様々なことを感じたと思う。私自身も色々なことを考えさせられるニュースとなった。

にほんブログ村 野球ブログ 東京ヤクルトスワローズへ
にほんブログ村








コメント

  1. sabo より:

    せっかく段々とメディア復帰を始めた中での逮捕だったので驚きました
    ファンというよりどちらかというとアンチ派でしたが、それでも残念でなりません
    西武黄金時代における西武の強さは今のソフトバンクをはるかに超えた特出度だった気がします

    水島新司の漫画『ドカベンプロ野球編』は清原選手がドカベンたちとプレーしたいと訴えて始まったんですよね。読者だったので西武時代の清原は漫画のイケメンイメージです

  2. FIYS より:

    > saboさんへ

    私も巨人時代の清原氏に関してはどちらかというとアンチ派でしたよ。しかし「番長」キャラが定着してからファンが増えたと言う部分もあるかと思います。ぺタジーニよりも清原を使え!という巨人ファンの声もあったかと記憶しています。
    残念なニュースですよね。

タイトルとURLをコピーしました