雄平骨折、手術へ。秋吉は肩に違和感。小川はクローザーへ

ヤクルト4-3阪神

バレンティン、小川が戻ってきたのだが、雄平は右有鈎骨骨折で長期離脱となってしまった。そしてこの試合ではプロ入り後61試合、74試合、70試合と投げまくり、今シーズンも29試合に登板し、チームを支えてきた秋吉までもが右肩の違和感で緊急降板となってしまった。
今日からリリーフに配置転換された小川が8回を任される形となったのだが、明日からはクローザーでの起用となりそうである。このブログのコメントにも小川の配置転換についてのコメントが複数寄せられているのだが、秋吉が長期離脱となりそうなため、小川クローザーという選択肢もやむを得ないと感じる。

先発のブキャナンの調子は良くなかった。初回、2回と四球からピンチを招いてしまい、2回は鳥谷のセカンドゴロダブルプレーの間に先制点を許してしまった。元々制球は良い投手なのだが、今日は初めての甲子園のマウンドと言う事もあってかコントロールに苦しんだ印象である。それでも阪神打線の調子の悪さにも助けられ、初回、2回と大量失点してもおかしくなかったイニングを1失点で乗り切ってみせた。
4回、5回も先頭打者の出塁を許し、5回には福留のタイムリーで1点を返されてしまったのだが、それでも5回を2失点と最低限の投球はしてくれたのではないだろうか?今日のゲームもテレビ観戦出来ていないため分からない部分もあるのだが、本来であればもう1イニングは投げて欲しかったというのが本音なのだが、小川をリリーフに配置した事もあって、首脳陣は無理をさせなかったのかもしれない。
自らの四球や味方のまずい守備で多くのピンチを作ってしまったが、よく粘ってくれたと思う。ここ数年苦手としている阪神戦でしっかり勝利を稼いでくれるのは非常にありがたい。

リリーフ陣については、今日は小川と秋吉について書いていきたい。小川はこのゲーム8回を任され、三者凡退と危なげないピッチングを披露してくれた。阪神が下位打線だった事もあり、1試合だけで評価は出来ないのだが、1点差の8回という場面でプロ初のリリーフ登板だった事を考えれば、小川の精神力の強さを改めて感じる事が出来る場面でもあった。
このブログのコメント返しで書かせてもらったのだが、私は、小川はリリーフ適性の高い投手だと感じている。もっと言えば現在のヤクルトの日本人投手の中でクローザー適性が高い投手は小川くらいだと感じているくらいである。140キロ後半を記録するストレートと空振りを奪える変化球があり、コントロールも良い。どんな場面でもポーカーフェイスを崩さずに投げ続けられる精神力の強さ、というように緊迫した試合を締めくくるという難しい役割を任せるだけの根拠がある投手だと感じている。
しかし流石に今のチーム状況で、しかもシーズン中に先発からリリーフに配置転換する事については無理があると感じていた。怪我で離脱する前までの投球内容は「エース」と呼んでも過言ではない投球内容だったし、今のヤクルトが勝つ可能性が最も高いのは、先発投手が好投し、その間に野手陣が先制点を奪い、試合の主導権を握った中で逃げ切るゲームだと感じているため、安定感のある先発小川を敢えて後ろに持ってくることでチーム状態が良くなるようには思えなかった。
しかしである。このゲームの9回に大きなアクシデントが待っていた。

9回のマウンドに上がった秋吉は簡単に2アウトを奪い、試合終了まで後1人という状況を作るのだが、ここから糸井にヒット、福留に四球を与えてしまい、ピンチを招くと続く代打原口の打席の4球目にストレートを引っ掛けたように暴投してしまう。これでカウントは2-2となったのだが、右肩に違和感を感じてこのまま降板となってしまう。一球速報を追っているだけではこのゲームでの違和感は感じられなかったのだが、原口への4球目を投げた後の右腕の仕草は明らかにおかしなものだった。右腕をぶらぶらさせているような感じで、異変なようなものが見て取れた。続報を待つしかないのだが、かなり心配である。伊藤智仁現ピッチングコーチが復帰を目指しているときに肩を壊してしまったときにも同じような仕草があったように記憶しているからである。伊藤コーチは結局その後1軍のマウンドを経験する事なく引退してしまうのだが、このゲームでの秋吉の姿を見て、私の中の嫌な思い出がフラッシュバックしてきてしまった。軽症である事を祈りたいのだが、即登録抹消ということで長期離脱は免れられないように感じる。
プロ入り後4シーズン、リリーフとして投げまくり、今シーズン前にはWBCでもボールが違う中で投球を重ねていた事を思うと勤続疲労が溜まっていたのかもしれない。今シーズンはクローザーに配置され、昨シーズンまでに比べれば登板ペースも多少は抑えられていたのだが、突然身体が悲鳴を上げる形となってしまった。非常に心配である。

ということで、こうなってしまった以上、小川をクローザーで起用することは致し方ないことだと思う。怪我人も続出し、非常に厳しい状況である事に変わりはないのだが、それでも最後まで足掻いてほしい。小川のリリーフ転向はそんな足掻きの1つだと感じる。応援していきたい。

打線は4回まで阪神先発青柳の前にほぼ完璧に抑え込まれてしまい、全く打てる雰囲気がなかったのだが、5回にバレンティンにチーム初ヒットが飛び出すと、グリーンにも2ベースが飛び出し、0アウト2,3塁のチャンスを作る。ここから青柳の投球が一変する。押し出し死球を含む3つの死球と山田への押し出し四球も絡む中で4点を奪ってみせた。2アウト満塁からの坂口のタイムリーは大きかったのだが、それにしてもヤクルトにとってラッキーなイニングだった。
青柳に関しては、ルーキーイヤーからこのように突如としてコントロールを乱す事がある投手だったように記憶しているため、おそらく阪神ファンにとっては「またか。」という感じなのだとは思うのだが、今のヤクルト打線の状態を考えると本当にラッキーな乱調だった。

一応連勝となったのだが、どうにも喜び切れないゲームとなってしまった。それでも甲子園の独特の雰囲気の中でもゲームを作ったブキャナン、プロ初のリリーフ登板を無難にこなした小川、緊急登板でも1球でゲームを締めくくり、プロ入り初セーブを記録した近藤と難しいシチュエーションでよく投げてくれたと思う。特に緊急登板となった近藤のスライダーは見事なボールだった。高校時代甲子園で優勝したベテラン投手らしさを見せてくれた。

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コメント

  1. k より:

    まさかの秋吉の故障ですね、映像を見る限り普段痛い表情を見せない秋吉なので重症の予感がしますね。雄平も秋吉も今季絶望でしょうね。(雄平は9月途中から復帰の可能性あるかもしれませんが)
    小川のクローザー転向になりますが、これだけケガ人だから試合にならないので育成に切り替えてもいいと思いますね。土肥や風張を試すチャンスですしルーキもリリーフより先発させてみるとか高卒新人の梅野を先発させるとか、順位や勝ち負けよりいろんな事を試す方向にしてもらいですね。
    それと球団はこれだけのケガ人で二軍も足りないのなら育成を増やすとかしないといけませんよね、ハッキリ言って球団社長や編成含めての見通しは甘すぎますね、試合が出来ない恐れがある状況は普通の会社なら責任問題ですよね。
    試合の方は戦力不足と連敗中のチーム同士の低レベルの内容で特に感想はないですが、阪神はヤクルト相手なので土日で連敗は止まるでょうしね(阪神のリリーフ陣からノーヒットなのは希望がないですね)
    それと奥村・廣岡・山崎・渡邉・高橋圭・寺島には今年は一軍に上げなくていいですね、今のチーム事情で上げてもレベルアップは望めないので二軍で優勝目指してケガなく来年のレギュラー争い勝負にかけてもらいですね。

  2. iraca より:

     意外と小川は投げられていましたし、連投は不安ですが仕方なくクローザーをしてもらうしかないですね。
     しかし、怪我人が多い…。
    交流戦後に4日も日程が空いたり、今後はオールスターブレイクもあるので、そういう期間に球団全体で大々的な身体検査を義務付けてみた方がいいなと昨晩閃きました。少しでも異常が見つかったら即抹消、というシステムをフロントか球団が作らなければ、この負の連鎖は止められないと思います。家族のように選手や裏方を大事にするスワローズの色にはピッタリな案だと思うのですが、どうですかね?
     怪我してから検査するなんて当たり前のことじゃなくて、怪我をする前に病気と同じく故障の予防が大切な気がします。

    それと、kさんが書かれている「高卒新人の梅野に先発させる」というのは反対ですね。
    もともと彼は、投手歴が高校の途中からですし、彼自身もリリーフタイプと認めています。私もリリーフだと思います。4・5年経ったら8回・梅野、9回・星というリレーが見れるかもしれません。
    ですが、彼は今2軍で先発を任されていますね。高橋は故障明けで経験に乏しく長いイニングは投げられないですし、ジュリアスは手術してたような気が…。
    寺島も甲子園を沸かした人間に多い故障だと思うので、2年ぐらい我慢ですかね。
    とにかく、梅野が先発しているのも怪我人が多いからです。
    2軍なら学びの場として最適ですが、高卒の若武者に1軍で先発させる必要はないと感じます。もし投げるなら、リリーフで!

  3. sabo より:

    もはや言葉も出ない
    怪我の多いチームと言われますが今年は一段と酷い
    何か原因があるのでしょうけど、、、うーん
    二軍だけでも良いので本格的にレンタル移籍制度導入を考えて欲しくなるくらい人手不足です

    ところで青木がまさかの初登板したみたいですね笑

  4. 中国地方のスワローズファン より:

    星はチーム状況がボロボロの中、本当に良くやってくれていると思います。
    守備の連携ミスはどうにかならないんでしょうか。
    雄平と秋吉の故障は踏んだり蹴ったりですね。
    もう呪われているとしか思えません。真中監督の運気も最悪だと思います。

  5. FIYS より:

    > kさんへ

    故障者は多過ぎますね。先日すでに引退していた新田と育成契約を結んだようですが、2015年にも前年に戦力外となった阿部投手と育成契約を結び、外野手として試合に出場させていた事がありましたよね。全く反省が活かされていませんよね。

  6. FIYS より:

    > iracaさんへ

    メディカルチェックなどはどのように行っているのか知らないのでコメントしづらいのですが、試合に出場するかどうかの判断は難しそうですね。

    kさんのご意見はあくまでも「育成に力を入れても良いのではないか?」ということの一例で挙げて頂いただけではないかと思います。梅野や寺島、高橋の成長を楽しみに見守っていきましょう。 

  7. FIYS より:

    > saboさんへ

    一旦は引退した選手と育成契約を結んで何とか2軍の試合が成り立つようにすると言うのは恥ずかしいことですよね。

    青木の登板に関しては、投手の酷使を抑えるという意味での登板のようですね。日本でもリリーフ投手の酷使はどのチームでも課題となっているので、同じようなことを考えるチームも出てくるかもしれませんね。もしくはベンチ入りの枠をもう少し広げるなどのレギュレーションの変更があっても良いかな?と感じています。

  8. FIYS より:

    > 中国地方のスワローズファンさんへ

    交流戦中にはグリーン、廣岡、藤井が同時に出場するゲームもありましたし、内野陣の連携ミスを減らすのは難しいでしょうね。

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