パリーグはソフトバンク、セリーグは広島

本当はソフトバンク、広島別々に記事を書きたかったのだが、ネットに繋がらない状況もあり、時間がなくなってしまったため、まとめて記事を書きたいと思う。ソフトバンクも広島もそれぞれのリーグで力が抜けており、圧巻のリーグ優勝となった。

ソフトバンクは本当に常勝軍団である。昨シーズンは日本ハムにまさかの大逆転を許してしまったのだが、今シーズンは前半戦で絶好調の楽天に先行を許しても大きく差を広げられる事なく喰らいつくと後半戦は一気に引き離して、自力の違いを見せ付ける形となった。
補強、育成が噛み合っており、V9時代の巨人や80年代後半~90年代前半の西武と比べられるような球団になってきている。V9時代の巨人はリアルタイムで見ていないため私自身は比べることが出来ないのだが、80年代後半~90年代前半の西武とは隙のなさ、チームの成熟度という意味で似ているように感じる。しかし投手、野手ともに層の厚さという意味ではソフトバンクの方が上回っているように感じる。今シーズンも主力に何人か怪我人が出たのだが、主力が離脱しても新しい選手がしっかり育ってきており、しっかり穴を埋めてしまう。本当に磐石の状態で戦っている印象である。
投手陣では大学時に怪我もあり調子を落としていた東浜をしっかり戦力としてみせた。今シーズンはここまで16勝4敗と素晴らしい数字を残してくれている。個人的にはこの東浜に関しては、ソフトバンクだからこそここまで復調させる事が出来たのではないか?と感じている。結果が出なくても慌てずにじっくりと準備をさせ、徐々にプロの世界で通用するような投手に成長していった。元々投球術や駆け引きには定評があったのだが、ボールの威力も増してきており、「負けない投手」として進化している。
和田、武田辺りが離脱し、中田が結果を残せなくても石川や松本が飛び出し、2軍にも期待できる若手が何名もいるのが今のソフトバンクである。正常な競争の中でチーム力を高めている。
そしてリリーフ陣も抑えのサファテを中心に安定しており、岩嵜、嘉弥真もしっかり自分の力を発揮してみせた。何かの記事で見たのだが、今年のソフトバンクは6回終了時点でリードを奪っていたゲームはほぼ負けていないという事である。それだけリリーフ陣が安定していたという事なのだろう。

野手陣も主力の柳田、デスパイネ、松田、今宮辺りの活躍も素晴らしいのだが、上林や甲斐といった若手が成長し、明石、福田、川島辺りのバイプレーヤーもチームの駒として良い働きをしてくれている。「個の力」だけでなく「チーム全体」の力で戦える試合巧者の一面も持っているのが現在のソフトバンクである。
ソフトバンクは現代のモンスター球団である。


セリーグは広島が2連覇を果たしてみせた。ソフトバンク同様セリーグの中では実力が抜きん出ていた印象である。正直開幕前はここまで広島が圧倒するとは思っていなかったのだが、薮田や岡田といった若手投手がエース級の活躍を見せると野村、大瀬良と言った実績組もしっかり結果を残してみせた。黒田が引退し、ジョンソンが本調子でなくてもこれだけ独走できるのはチームとしての自力が付いてきたということなのだろう。
リリーフ陣は中崎、ジャクソン、今村、一岡、中田と昨シーズン同様良く投げていたのだが、これらの投手に加え、ブレイシアや九里なども他の投手を休ませるという意味でチームにとっては欠かせない存在となっていたのではないだろうか?正直リリーフ陣に関しては昨シーズンに比べて付け入る隙があるのかな?とも思ったのだが、数字を見てみると今シーズンも安定した投球を披露してくれていた。昨シーズンのリーグ優勝が自信につながっているのではないだろうか?

打線も層の厚さを感じさせてくれた。田中、菊池、丸、鈴木の上位打線は脅威以外の何ものでもなかったし、エルドレッド、新井といったベテランは休養も挟みながら上手く起用していた印象である。そんな起用を可能にしたのも松山、安部らの中堅どころの活躍と西川、バティスタといった新戦力の活躍も大きかったのではないだろうか?
CSは鈴木無しで戦わなければならない不安もあると思うのだが、ホームマツダスタジアムで戦えるというアドバンテージは大きいと感じる。

個人的には先行逃げ切りという王道スタイルでリーグ優勝を果たしたソフトバンクと中盤~終盤に打線が繋がり数多くの逆転勝利を飾ってきた広島とのガチンコ勝負を見てみたい。やはり鈴木不在ということで分があるのはソフトバンクだと思うのだが、昨シーズンの日本シリーズを経験している広島の実力も侮れないと思う。

今後のCS、日本シリーズではどんなドラマが待っているだろうか?

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コメント

  1. リボル より:

    両リーグの優勝チームが決まりましたね。
    スワローズの更新をほぼ毎試合していただき、ありがとうございました。
    チーム状況は早々とつまらない展開になりましたが、
    このブログ記事とコメント欄を読んでいるのは面白かったです。

    我らがスワローズは差をつけられた最下位で寂しいものがあります。

    日本シリーズですが、ここ最近はパ・リーグがオールスターでも交流戦でもセ・リーグを圧倒してますので、普段はライバルチームである広島を全力応援したいと考えています。

    セの意地と実力を広島カープには魅せてほしいですね。

  2. k より:

    ソフトバンクは資金力をバックに設備投資・補強に育成、ドラフトでのクジ引きの運の強さ、全てにおいて上手く回っていて選手も試合に集中できて戦いやすい環境も整っているのでまさに常勝軍団でしょうね(v9時代の巨人や西武と一緒ですね)
    一方、広島は黒田が抜けて若い選手が多く2年目のジンクスが出てくるかなと思いましたが終わってみれば連覇と、これで黄金期を迎えたと言っていいでしょうね(古葉さん時の山本浩二・衣笠がいたときより今の方が強いですね)
    走攻守で数字も圧倒してますが、一番は人気球団になりファンが尋常じゃないほど増えてビジターでもホームみたいに戦える雰囲気が他チームを圧倒してる要因ですね。
    また主力が20代中心ですから来年も優勝する確率が高いですが他の5球団がストップ広島を合言葉にエース級をぶつけられるかにかかってますね(それだけ今の広島にはハンデをつけないと勝ち越せない)
    不安は広島は昔から資金力が乏しいチームだったので(今の総年俸は下から2番目くらいだと思いましたが)活躍するとお金を払えず出ていく事が多かったですが、連覇して来年もとなると、スタメン全て一億円プレーヤーになったらどうするのかなと、なのでお金面だけか心配かなと感じますね(球場は超満員なので昔に比べたら資金はありますが、ここまでみんな高給取りになる広島は初めて見るのでオフの査定が気になりますね)
    最後にヤクルトは総年俸も上から4番目位なのに、ここまで弱いのは不良債権が多すぎですね選手の年俸を上げるのではなく設備投資をしっかりしないと真のプロ野球チームとして恥ずかしい限りですね。

  3.  初めてコメントをさせて頂きます。
     ブログ村の「プロ野球」と「広島カープ」のカテゴリーに『いつも そこに カープがあった』というブログを掲載しているカフェ・エライクニスと申します。

     よく貴ブログを拝読させて頂くのですが、いつも感心するのは、根っからのヤクルトファンでありながら他チームへのリスペクトや正当な評価、冷静で客観的な観察がきっちりとなされているということです。
     ヤクルトのみならず、よほど野球そのものを愛しておられるのでしょう。
     自分の贔屓チームのことしか目に入らない狭量なブログが多い中では見習うべき姿勢であると感じています。
     今後は小生も大いに参考にさせて頂きたいと思います。

     今季もスワローズファンとしては無念極まりないシーズンとなりました。
     かつて神宮ではスワローズとカープのファンが熱いエールを交わしていました。カープファンも、スワローズには昔から特別の親愛の情を持っていた筈です。我が家も熱烈なカープファンであると同時に、熱烈な山田哲人やライアン小川のファンでもあります。
     だからこそ、今季のスワローズがこれほどまでの苦しむ姿を見たり、ヤクルトファンから「カープファンが神宮球場を占拠」したり、「我が物顔に振る舞う」などと非難されるような状況を見ると胸が痛くなります。
     カープファンにはけっしてそのような奢った気持ちはないのですが、結果としては他チームファンの目にはそう映ってしまうことについては猛反省が必要だと思います。

     二年前の覇者であるスワローズ、遠からぬ将来、是非カープと覇権を争いつつ再び熱いエールを交わし合う日を楽しみにしております!

  4. FIYS より:

    > リボルさんへ

    今シーズンも無理矢理ではありますが、ここまで全試合更新を行う事が出来ています。しかし試合をほとんど見れていないため、ブログの内容はイマイチかと思います。そんなブログを読んで頂きありがとうございます。

  5. FIYS より:

    > kさんへ

    ヤクルトは総年俸は4位なんですよね。それでこの成績はちょっと頂けませんよね。

    ソフトバンクのチーム作りは圧巻ですよね。広島も成熟度は増していますよね。

  6. FIYS より:

    > カフェ・エルアイクニスさんへ

    コメントありがとうございます。そして広島カープ優勝おめでとうございます。

    ここ数年広島に風が吹いていますよね。ファンも増え、広島の野球文化も新たなステージに突入したと感じています。つい5,6年前までの広島カープと今の広島カープが置かれている環境があまりにも違いすぎて驚いています。

    カープファンの雰囲気が変わっているという情報もよく耳にしますが、また熱いエールの交換が出来ると良いですよね。

    時間があればブログも拝見したいと思います。

  7. sabo より:

    両チームともに層の厚さを感じますね
    広島が強いのはシーズン前からわかっていましたがあまり注目していなかった選手の活躍もあって想像以上でした
    特に投手の育成が良いですね。ノーコンだと思っていた投手が一年で生まれ変わったようなピッチングを披露してくれました

    楽天は残念でしたね、、、

  8. FIYS より:

    > saboさんへ

    広島はいいタイミングで若手投手が飛躍しましたよね。強かったです。

    楽天は怪我人が出てしまった事が残念でしたね。

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