快投石川、勝ちつかずも負けは消える。

ヤクルト3-1中日

7回終了地点まで21人連続でアウトを重ねた石川に勝ちがつかなかったのは残念ではあったのだが、ピンチでマウンドに上がった近藤がよく粘り、打線も9回に意地を見せ逆転勝利に導いてみせた。こういったゲームを昨シーズンはことごとく落としていた印象なのだが、今シーズンは粘り強く戦う事が出来ている。

石川の投球は見事だった。12年シーズンの巨人との開幕戦で9回1アウトまでノーヒットピッチングを披露したことがあったのだが、そのときに匹敵するような快投だった。過去記事はこちらから→「あっぱれ石川!
私は普段ゲームをしっかり見る機会が少ないためよく分からない部分も多いのだが、前回の登板時から石川の投球は多少変化しているのではないだろうか?捕手が井野に変更になったからという部分もあるのかもしれないが、変化球の使い方が少し変わったかな?というのと投球時にこれまで以上に無駄な力が抜けているように感じる。石川の代名詞であるシンカーを多用し、時折投げるストレートで打者のタイミングを狂わせている。ストレートを投げるときにも力感を感じないため、打者は振り遅れたり、差し込まれたり、バットが出せなかったりする場面が目立つ。たまたまここ2試合石川の調子が良かっただけかもしれないのだが、前回の阪神戦、今日の中日戦のピッチングは素晴らしかったと思う。先日中日の吉見に完封負けを喫してしまったのだが、球威がなくても相手打者を料理するだけの投球術は石川も持っているはずである。それだけに勝ち星が欲しいところである。

リリーフ陣も近藤、石山と本当によく粘ってくれた。近藤は石川のパーフェクトが途切れた後の0アウト1,3塁というピンチの場面でマウンドに上がったのだが、平田の犠牲フライによる1点のみに抑え、最低限の仕事は果たしてくれた。もちろん無失点で切り抜けてくれればそれに越したことはないのだが、石川のパーフェクトが途切れ、アルモンテの打球も非常に微妙な打球だっただけに完全に流れが中日に傾いている中で最小失点に留めたことは評価できる。もしもう1点失ってしまっていたら敗色濃厚という雰囲気も漂っていたはずである。そこを踏ん張った事が9回の味方打線の逆転劇に繋がった。
そして石山も3-1の9回にマウンドに上がり、2アウトから連打を許し、2アウト1,3塁でビシエドという非常に厳しい場面を迎えたのだが、最後は内角高目の釣り球のストレートで空振り三振を奪い、試合を締めくくってみせた。昨シーズンはこのビシエドに9回に逆転ホームランを浴びたゲームがあったように記憶しているし、9回2アウトランナーなしからひっくり返されたゲームもあったように記憶している。そのときの投手は秋吉だったと思うのだが、今日は石山がクローザーの仕事を果たしてくれた。こういったところで踏ん張ることが出来ているため、この段階で昨シーズンの勝利数を上回る事が出来ているのだと思う。

打線は9回にルーキー鈴木博から山田哲が内野安打で出塁するとバレンティンが高めのストレートを完璧に捉える逆転2ランホームランを放ち、石川の負けを消すと共にチームの逆転勝ちに繋げてみせた。山田哲の必死の走塁、バレンティンの4番の仕事と最後の最後で理想的な攻撃が展開された。その後もチャンスを広げ、坂口の押し出し四球で1点を追加できた事も結果的には大きかった。
しかし快投を続ける石川に1点も援護点をプレゼントする事が出来なかったのは悔やまれる。勝ったものの野手陣は石川に対して申し訳なさを感じているのではないだろうか?中日先発の高卒2年目藤嶋の前にチャンスは作るものの得点が奪えなかった。決してなめてかかった訳ではないと思うのだが、独特のナックルカーブの対応に苦労してしまっただろうか?想像以上に早く出てきて高卒2年目にして1軍の舞台でこれだけまとまったピッチングを披露出来るということは素晴らしい投手という事なのだと思うのだが、私はまだ投手藤嶋の本質を掴みきれていない。どういった投手に成長して行くのか注目してみたい(現段階ではそこまで打ちあぐねる相手ではないような気がするのですが…)。

P.S 普段からヤクルト戦を観戦し続けている方々から見ると石川の投球に変化は感じますかねえ?ここ2試合の投球で何か変化があると感じている方がいれば是非コメント頂けたらと思います。

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コメント

  1. kuro より:

    先週に続いて石川の投球をみていましたが、私が感じたことは、単純にコントロールが全盛期並みだったなということでした。
    本当にびっくりするくらい井野のミットどおりに投げきれていました。
    前回は大阪ドーム、今回はナゴヤドームと、マウンドが硬くて高い?と言われる球場だったことも影響したでしょうか。
    次回は神宮ですのでどうでしょうね?数年前までは神宮こそ得意の球場でしたが。
    ただ、前回も今回も結局80球こえたあたりで球が浮わついてきたのはやはり衰えなのでしょうか。
    6回投げきりで100球、これくらいやってくれたらありがたいし、まだまだ勝ち星も増えてくるとおもいますけどね。

  2. 南国燕 より:

    お疲れ様です。
    石川のピッチングより井野のミット捌きが土曜日と変わったような気がします。
    昨日は石川がモーションに入り投げ込むまでミットを、ずっと広げて座ってました。

    以前の何かの番組で元ヤクルト監督の野村がカープのスパールーキ中村のキャチングで指導している番組がありましたけど、野村も最初からミットを広げて構える指導をしていました。
    へぇーと思いましたが古田は違っただろ!とテレビに突っ込んでましたけど…(笑)

  3. k より:

    ナゴヤでの連勝は中日のリリーフ陣の不安定さが表れた試合でしたね(対戦成績も五分になったのでヤクルトの最下位はかなり低くなりましたね)。
    試合の方は藤島のナックルカーブにてこずりましたね。今のヤクルトの弱点はチャンスで下位打線に回っても点が取れないのが課題ですよね(前回の阪神戦もチャンスで井野・投手で得点が出来ませんでしたし)
    井野はリード面では貢献しているので打撃は仕方ないですがランナー3塁ならスクイズも選択した方がいいですね、あと西浦が地味に不調なので彼が打ってくれないと、ますます井野・投手と勝負されるので悩みところですね。
    それと井野が先発マスクで中村をリリーフキャッチャーでの起用が増えていきそうですね、この起用方法は悪くないと思うので上手くハマって欲しいですね。
    石川に関しては特に変わった点はないと思いますね、真っすぐの球速も135km出るか出ないかですしシンカーのキレも特段良かったと思わなかったので、個人的に変わったと言えば井野になって配球がインサイドに変化球が増えたのとストライク先行になったくらいですかね(あと涼しいドームでしたし次の神宮での阪神戦でどうなるかでしょうね、石川のバロメータは四球が増えるとダメだと思ってます)
    次はAクラス争い占う重要な神宮6連戦ですね、ここで最低でも4勝2敗なら巨人・阪神とまだまだ勝負できると思いますね。巨人はリリーフ陣が手薄ですし坂本・吉川が不在なのはヤクルトにはアドバンテージですかね(内海を長いイニングを投げさせなければ優位に進められますね)
    気になるのは2戦目の先発ですね古野か寺島と予想してますが個人的には高橋圭に期待したいのですが

  4. FIYS より:

    > kuroさんへ

    なるほど。シンプルに石川の生命線であるコントロールが見事だったということですね。

    先発をするのであれば100球はしっかり投げてもらいたいですよね。

  5. FIYS より:

    > 南国燕さんへ

    井野の構え方ですか?そこは全く見ていませんでした。谷繁は投手がモーションに入ってからミットを全く落とさずに構え続けたまま捕球していましたね。

  6. FIYS より:

    > kさんへ

    石川と言うよりも井野ということですね。井野の存在感が日に日に増していますね。

    神宮ではしっかり勝ち越したいですね。ここまで来たらCSへ向けての執念も見せてもらいたいですね。

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