天気も試合も大荒れ大荒れ。最後は上田のサヨナラ3ラン!

ヤクルト12x-9中日(延長11回)

今日は台風が日本各地で猛威を振るい、神宮でのゲームも中止になるものだと思っていた。しかし試合は決行された。このコンディションで試合をすること自体どうなのだろう?と思ったし、お客さんへの配慮と言う部分でも大丈夫なのかな?と感じる部分もあったのだが、今シーズンは雨天中止のゲームも多く、試合が決行されるのであれば決行し、成立させてしまいたいという思いがNPB側にあったということなのだろう。
試合自体も荒れに荒れ、とんでもないゲームとなってしまった。正直今日は投打の主力小川、山田哲、バレンティンへの奮起を促すような記事を書こうと思っていたのだが、9回に6点差を追いつき、延長戦で上田にサヨナラ3ランが飛び出したためそれどころではなくなってしまった。小川が連敗中の嫌なムードを払拭できず、山田哲、バレンティンがチャンスで仕事が出来ない中でよく勝利を手繰り寄せたと思う。久々のスタメンで大活躍となった大引、代打で約4年ぶりのホームランを放った武内、そして人生初のサヨナラホームランを放った上田と脇役勢が主役級の働きを見せてくれた。

こんなコンディションでもゲームが決行されたのだが、正直小川はこういう悪天候の中でも集中力を切らさず投げるだけの気持ちの強さを持っているため、ゲーム前はヤクルトにやや分があるかな?と感じていた。しかし小川が立ち上がりに4連打を許し3点を失うと、2回にも絶好調のビシエドに3ランホームランを浴びてしまい、ゲームを作る事が出来なかった。風の影響があったかどうか分からないのだが、ここまで崩れてしまうとは思っても見なかったため、ヤクルトにとっては大きな誤算となってしまった。小川にはこういったコンディションの中でもある程度の投球を期待したいため、今日の投球内容は残念だった。次回はエースらしい投球を期待したい。

小川が崩れてしまった事から序盤から大きなビハインドを追いかけなければならない展開となり、相手先発が好投手ガルシアだったため難しい部分もあったのだが、打線もチャンスで山田哲、バレンティンが結果を残せず、敗戦ムードが色濃く漂っていた。特にビッグチャンスとなった4回に2点を返し、尚も2アウト満塁で山田哲という場面で一気に点差を縮めたかったのだが、ここで山田哲が凡退してしまったのは痛かった。正直今日のゲームのポイントになる場面だとこの時点では感じていた。しかし試合は3-9で迎えた9回裏に大きく動き出す。
久々の1軍マウンドとなった中日田島を攻め、まずは武内の2ランホームランで点差を詰める。武内は崖っぷちの状態であり、先日の広島戦でも守備固めで起用されながらエラーをしてしまい、そのエラーが逆転負けに繋がると言う出来事があり、相当追い込まれていたと思うのだが、今日はしっかり自分のスイングをしてくれた。この時点ではチームにとってというよりは武内個人にとって大きな一打になったと感じていたのだが、終わってみればチームにとっても大きな一発となった。1アウト後坂口が2ベースで出塁すると田島の連続ワイルドピッチで1点を追加し、その後も青木、山田哲の連打で1アウト2,3塁のチャンスを作り、にわかに神宮の雰囲気が変わり始める。しかし代打宮本が三振に倒れてしまい2アウトとなり反撃もここまでかと思われたのだが、ベテラン勢がここからもう一ふん張りしてみせる。雄平が2点タイムリーを放ち、1点差とすると大引が起死回生の同点タイムリー2ベースを放ち、試合を振り出しに戻すことに成功する。
中日も田島ー祖父江ー岩瀬ー福谷ーロドリゲスという1イニングで5人の投手を継ぎ込むと言うとんでもない継投を見せたのだが、雄平、大引が本当に粘り強いバッティングを見せてくれた。大引は同点打、ホームランを含む猛打賞の活躍となったのだが、この活躍はチームにとっても大きなことである。川端を欠く中でサードのポジションが固定できず、打線という意味でもこのポジションが弱点となっていた。ここにベテラン大引が戻ってきてくれたのは心強い。毎試合スタメン出場という訳にはいかないと思うのだが、大引がいることで若手選手も首脳陣も安心感を持ちながらゲームに入れる可能性はあると思う。1軍に復帰し早い段階で結果を残せた事も大きいことだと感じる。
9回は同点止まりで代打井野の打球は中日のサード堂上の攻守に阻まれてしまったため、まだまだ試合はどちらに転んでもおかしくない状況だったのだが、10回、11回を石山、近藤が完璧に抑えて流れを引き込むと11回裏は、2アウトから西浦四球、井野ヒットでチャンスを作ると上田が右中間スタンドに飛び込むサヨナラ3ランホームランを放ってみせた。ポスト青木として期待されていた男も30歳となり、出場機会も限られてきていた。しかし元々はパンチ力のある打撃の評価も高く、だからこそ「ポスト青木」と呼ばれた男である。そんな上田が重要な場面で大仕事をやってのけてくれた。台風接近による強風にも乗った打球はファンの思いも乗せる形となってスタンドまで届く打球となった。
私個人としても上田を推し続けていただけにこの一打に関しては興奮したし、感動もした。レギュラー奪取と言う部分では厳しい状況にある上田ではあるが、チームに欠かせないバイプレーヤーとなっていることは間違いない。そんな上田がこういう形で輝く試合があっても良いではないか。悪天候の中応援し続けたヤクルトファンへの大きなプレゼントとなるサヨナラ3ランホームランとなった。


今シーズンのヤクルトスワローズは勝っても負けても最後まで楽しませてくれそうである。

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コメント

  1. sabo より:

    一体何度ヤクルトスワローズは「諦めないことの大切さ」を教えてくれるのか
    もう途中でチャンネルを変えようと思いましたがやはり諦めてはいけないのですね、反省です(汗

    とにかく語るポイントが多すぎる試合でしたが、絞って挙げます
    1、青木の執念のセーフティバント。3回にエースが打たれて悪い流れの中でチームに喝をいれるようなセーフティバントでした。今年はチームの精神的支柱が青木ですね。猛打賞お見事です
    2、さりげなく5打席出塁の西浦。中日エースガルシアからまともなヒットを期待できたのは大引と西浦だけでした。主軸が不振の中で調子の良かった二人が並んでいたのは相手バッテリーに多少なりともプレッシャーだろうし終盤にバレンティン雄平が下がった時にも1.2.3番と6.7番を攻撃の軸として残すことができました。影のヒーロー大引の影として援護していたのが西浦ではないでしょうか
    3、勝ちパターンリリーフ復活の無失点リレー。特に梅野はモチベーションを高め難い場面でリリーフでしたがしっかり中日クリーンナップを抑えてくれて明日以降もチームに安心感を与えたと思います
    4、代打本塁打の武内に代打井野を出した采配。武内がここでサヨナラヒットを打てば来期の契約もぐっと近づく場面でしたし何よりこの回ホームラン打ってる。それでも左対左は相性が悪いと判断した冷静でシビアな采配でした。結果的には井野はサードのファインプレーで凡退になりましたが当たりは意外と悪くなかったし、ここで一度打席に立ったから11回に上田に繋ぐヒットが出たとも言えるので正解だったと思います。それに何より勝つためにデータを信じたのは良かったです
    5、上田。ヒットでなくホームランとは驚きました。今年は守備もいいしもっと活躍しててもおかしくない。まだまだレギュラー狙うつもりでアピールして欲しいです

    中澤中尾は失点はしたものの良くなってきてはいると思ったし、代打宮本の粘りなど良いところは他にもありましたから今日の勝利はチームとスタッフとファン全員で掴んだ奇跡の勝利ですね!明日の高橋初登板楽しみになる良い雰囲気です!

  2. JEF九郎 より:

    数字だけ追えば、そして中日ファンの友人の気持ちを思うと、手放しで喜べる勝利ではないですが、脇役陣の活躍と連敗ストップは嬉しいです。
    でも凄い試合だったのですね。皆さんの記事とコメントを見てその熱量を感じました。

    それにしても今シーズンはリードあっても逆転されますが、リードされてても6点差くらいならひっくり返しちゃいますね。この勢いで広島とのゲーム差や実力差もうっちゃって一年を締めくくりたいですね。

    ※ ただ、昨日は試合やることに対してはどうかと感じました。。。

  3. k より:

    昨年も中日に大逆転勝ちをしてるので最終回は雰囲気はありましたよね。ただ内容は広島戦からの悪い流れを経ちきれてないという印象ですね、特に先発が5回持たない試合が続いてますよね、特に六連戦の頭から中継ぎがフル回転なので1枚増やして欲しいですね(こういう試合をしてると野手も気持ちが切れてしまうのが心配ですね)。
    小川は風の影響があったと思います、真っ直ぐは悪くはなかったですがチェンジアップやカットボールがほとんど変化せず高く真ん中に集まっていたので次のCS争う巨人相手に期待をしたいですね。
    打つ方は大引・武内・上田の活躍でしたが山田やバレンティンの主力が夏場の疲れが出始めてるので出番がなかった人が活躍しないといけないのでバランスは良くなっているかなと思いますね、大引は打撃での読みの上手さがあるため廣岡・宮本と比べると経験値の差があるのが分かりますよね(大引は怪我が怖いので休ませながらの起用を徹底してもらいたいですね3日出て1日休むとか)
    次は初先発の高橋圭は楽しみですね、この試合を勝ってチームの連敗は止まったので本人も少しは気分が楽に投げられのではないかなと(負けていたら、プレッシャー掛かってましたね)
    中日は打線は好調なのですが真っ直でファウルが取れるかと変化球が通用するか見たいですね。
    相手は最近は好調な小熊ですが真っ直ぐも速くなってカーブが効果的なので、この2つの球種に対応できればですね(大瀬良に崩された打線もこの試合で少しは戻したかなと)。今の中日のリリーフなら終盤勝負だとヤクルトに分がありますね。
    最後に中日は今年はメンバーも固定できて外国人も機能したので良いかなと思いましたがリリーフがダメだったですね(広島とは対象的に低迷期が続きそうですね、ここは昔からリリーフ強かったのですが浅尾と岩瀬の現状の姿を見ると寂しく映りますね)

  4. FIYS より:

    > saboさんへ

    試合を整理するのに困るような大逆転劇でしたね。最後まで諦めない姿は私達ファンにも活力を与えてくれますよね。

  5. FIYS より:

    > JEF九郎さんへ

    強い勝ち方ではないですが、今シーズンは最後までハラハラドキドキするゲームが多くて、私達の気持ちも落ち着きませんよね。面白いシーズンになりましたね。

  6. FIYS より:

    > kさんへ

    決していいゲームとは言えない勝ち方ですよね。それでも小川監督の選手起用が上手く回り始めている印象はありますよね。大引の復帰は心強いですね。

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