2019年シーズンのポイントは?

今年もキャンプインする前に個人的な2019年シーズンのポイントを挙げてみたいと思う。2019年はおそらく首脳陣にとって非常に難しいシーズンになるのではないか?と予想している。
2017年にシーズン96敗という大敗を喫し、真中監督が辞任する形となり、小川監督が「火中の栗を拾う」役割を担うべく監督再登板という形となった。あくまでも「宮本監督への繋ぎ」という規定路線がある中での再登板だったのだが、小川監督が指揮をとった2018年シーズンは交流戦で最高勝率チームになるなど、リーグ戦を2位で終えるというまさかのV字回復ぶりを見せてくれた。おそらくヤクルト球団としては、2018年、2019年でチームの土台を作り直し、2020年以降に優勝争いが出来るチームを作り上げて行こうという目論見があったと思うのだが、2018年シーズンの躍進はいい意味で予想外の出来事だったに違いない。
もし2018年シーズンの躍進が若手の台頭によってなされたものであれば、宮本監督就任に向けていい形でバトンタッチ出来るよう勝利と育成を同時進行で進めることも出来たのかもしれないが、昨シーズンの躍進は2017年シーズンに怪我で離脱してしまったり不振に陥ってしまったベテラン、主力勢が復調する中でなされたものであり、シーズン前に期待されていた若手の躍進はそれ程進まなかったというのが現実である。
もちろんベテラン勢が活躍し、若手の壁になる事は良いことなのだが、野手陣の高齢化は「危険水域」と呼ばれてもおかしくないような状況となっている。2019年シーズンも2018年シーズン同様ベテラン勢が数字を残してくれれば良いのだが、年齢的にも楽観視は出来ない状況になっている。もし2017年シーズンのようにベテラン勢が総崩れということになってしまった場合には、2020年に宮本監督にバトンタッチする際には、野手陣は「焼け野原」という状況でバトンタッチしなければならなくなる危険性も孕んでいる。そんな未来も見通しながらチーム作りを行なうという事は容易な事ではないはずである。小川監督をはじめとする首脳陣にとって簡単ではないシーズンとなりそうである。
そんなことも踏まえつつ、2019年シーズンのポイントをいくつか挙げてみたい。
昨シーズンの記事はこちらから→「2018年シーズンのポイントは?

①ベテランVS若手(野手陣)
・まずは冒頭にも書かせてもらった通りのポイントとなるのだが、野手を中心に元気なベテランの壁を乗り越えるような若手が現れるか?という部分に注目してみたい。捕手に関しては、この後でポイントとして挙げるので後回しにしたいのだが、各ポジションごとに見ていきたい。
一塁手、ベテラン坂口(35)、畠山(37)、川端(32)、若手村上(19)、中山(23)

二塁手、中堅山田(27)、若手奥村(24)、太田(22)、吉田(24)

三塁手、ベテラン川端(32)、大引(35)、中堅藤井(31)、若手廣岡(22)、宮本(24)、村上(19)

遊撃手、中堅西浦(28)、ベテラン大引(35)、若手廣岡(22)、奥村(24)、太田(22)、宮本(24)、吉田(24)

外野手、ベテラン青木(37)、バレンティン(35)、雄平(35)、坂口(35)、中堅上田(31)、若手塩見(26)、渡邉(22)、山崎(26)、中山(23)
※( )内の数字は来シーズン中に迎える年齢

名前は独断と偏見込みで挙げさせてもらったが、こんな形でレギュラー争いがなされるだろうか?正直ベテラン、主力組の壁は高いと感じるし、若手が簡単にチャンスを掴める状況にはないと感じる。しかしどこかで若手がベテランを突き破ってレギュラーを獲得しなければ、野手陣の年齢構成的にはかなり歪な形となってしまう。そこで今シーズン何とか1軍のゲームで出場機会を増やしてもらいたいのが、塩見、廣岡、村上の3選手である。

塩見に関しては、昨シーズン怪我で出遅れながらも2軍では圧倒的なスタッツを残し、アジアウィンターリーグでも格の違いを見せ付けてくれた。すでに2軍では「やることがない。」状態であり、後は1軍で結果を残すのみという選手である。昨シーズンは1軍で中々結果を残す事が出来なかったのだが、年齢的にも今シーズンは是が非でも1軍で結果を残してもらいたい。しかし青木、バレンティン、雄平、坂口という面子からレギュラーを獲得する事は容易な事ではない。オープン戦から結果を残す必要があるし、オープン戦で結果を残したとしても開幕早々躓けない状況にある事は間違いない。
いきなり先発出場の機会を得るのか、はたまたバレンティンの守備固め辺りから出場機会を増やしていくのか分からないが、首脳陣が思い切って塩見を抜擢しようとするのであれば、先発投手によって右ピッチャーなら雄平、左ピッチャーなら塩見というぐらいの割り切った起用法も「あり」なのではないか?と感じる。塩見に関しては、2019年シーズン最も期待したい若手野手の1人である事に違いない。

廣岡に関しては、2018年シーズンはオープン戦から遊撃手として優先的に起用され、開幕レギュラーで起用された過去がある。指定強化選手というようなポジションだったと思うのだが、夏前には首脳陣の我慢も限界に達してしまった。試合に出るために送りバントなど小技を行なう機会も増え、思った以上に器用にこなす姿も見られたのだが、反面廣岡の魅力である長打力という部分で伸び悩んだように感じた1年だった。それでも下手くそなりに1軍のゲームで戦った経験は2019年シーズンに活かさなければならない。廣岡自身も首脳陣ももう一度廣岡の長所を伸ばすという部分に立ち返って2019年シーズンに臨んでもらいたい。村上という大物ルーキーの存在で影が薄くなっているのだが、守備力含めた実践力ではまだ廣岡の方が上のはずである。

村上はルーキーイヤーから自慢の打撃でしっかり2軍で数字を残し、シーズン最終盤には1軍で起用され初打席初本塁打という離れ業も見せてくれた。ヤクルトが誇るスーパースター候補である。バッティングに関しては、1軍で起用を続ければある程度の数字は残しそうな雰囲気もあるのだが、まだ確率が低く、守備面でも課題が大きいというのが実情である。もちろん2019年シーズンに1軍で数字を残してくれれば願ったり叶ったりではあるのだが、もう少し2軍で勉強する必要もあるように感じる。しかし打席での雰囲気はすでにプロそのものであり、将来性は抜群である。ヤクルトを背負って立つであろう大砲の開花の瞬間を見逃さないようにしたいと思う。

塩見、廣岡、村上辺りがベテランの壁を突き破ってくれると良いのだが、ベテラン勢もそう簡単にレギュラーポジションを与えるとは思えない。ベテランVS若手の戦いはキャンプ、オープン戦から目が離せないことになりそうである。

②リリーフ陣の整備
・昨年もポイントに挙げさせてもらったのだが、やはり現代野球にとってリリーフ陣の整備という部分は必須項目となる。逆に言えばこの部分を抑える事が出来れば、他の戦力で劣っていたとしてもある程度の成績を残す事が出来ると考えられる。2018年シーズンのヤクルトもクローザーに石山が収まり、勝ちゲームのリリーフ陣もシーズン通して奮闘した近藤をはじめ、中尾、風張、梅野辺りも登板を重ねてみせた。シーズン通して働けたのは石山と近藤の2人ぐらいだったが、入れ代わり立ち代わりで上手くリリーフ陣が機能したシーズンだったように感じる。逆に言うと2019年シーズンは昨シーズンのように上手くリリーフ陣が回転するとは限らないという事である。
2019年シーズンも基本的には石山をクローザーに据え、勝ちパターンのリリーフとして近藤、風張、梅野、中尾辺りを持ってきたいという青写真はあるはずである。しかし昨シーズンの勤続疲労と言う部分も考慮するとその他の投手にも出てきてもらわなければならない。ハフ、マクガフといった助っ人外国人、寺原、五十嵐といった戦力外からの補強組、チーム状況によって起用法が変わってくる可能性がある星、大下、即戦力の期待がかかるルーキーの坂本、久保辺りも候補となり得るだろうか?リリーフ陣が上手く機能すれば、または固定されれば現在のセリーグであればある程度戦えるはずである。

③捕手の起用法
・捕手の起用法については、素人である私が色々と語ったところで説得力はなく、実際にどのような捕手が評価され、どのような起用法が正解かは分からない。昨シーズンは捕手の起用法についてこんな記事も書いているので興味のある人は読んで見てください。→「捕手複数体制と打てる捕手
・今シーズンはどのような起用法になるのだろうか?まずは2015年シーズンのリーグ優勝に大きく貢献した中村がメインを張る可能性が高いことは間違いないだろう。しかし2015年シーズン以降ステップアップしてくれると信じて疑わなかった中村がここ数年精彩を欠いている。昨シーズンに関しては、ベテランの井野が原の覚醒に手を貸し、若手のルーキー松本や高卒2年目の古賀が先発マスクを被る試合もあった。そう考えると中村がレギュラー安泰という状況ではない。「打てる捕手」候補である西田が巻き返す可能性もあるし、松本が武器の強肩を活かしてレギュラーを奪取する可能性もあるし、古賀にも捕手としての総合力は備わってきている。そうなると投手によって捕手をローテーションするようなことも考えられるかもしれないし、中村以外の捕手がメインを張る可能性もないとは言い切れない。個人的には中村の復調に期待したいのだが…どんな争いが繰り広げられるだろうか?

④VS広島
・昨シーズンはリーグ2位という成績を残したのだが、リーグ優勝を果たした広島相手には全くといっていい程歯が立たなかった。試合内容自体は、接戦も多かったため2017年シーズンに比べると多少は差が縮まった部分もあるかな?という印象もあるのだが、対戦成績的には6勝19敗ということで2017年シーズン以上に負けが込む結果となってしまった。2017年シーズンも2018年シーズンも最終回での大逆転負けを喫するなど、広島に上から目線で戦われてしまっている印象がある。石井コーチ、河田コーチが加わった中でもこれだけ一方的にやられてしまったというショックは大きいのだが、どこかで現在の状況を打破しなければならない。3連覇を成し遂げた広島は「勝ち方を知っているチーム」に変貌を遂げたのだが、2018年シーズンにおいては目に見える部分の戦力差はそれ程大きなものではなかったと感じている。きっかけ1つで苦手意識も払拭できるはずである。2019年シーズンは最悪でも五分の戦いに持ち込んでもらいたいものである。ここ2シーズンはいくら何でもやられすぎである。

ということで2019年シーズンのポイントを4つ挙げてみた。思った以上に気合いの入った記事になってしまったが、今シーズンは将来も見据えながら優勝を目指して戦わなければならないという非常に難しいシーズンになりそうな事だけは間違いなさそうである。皆さんが考える2019年シーズンのポイントはどのような部分でしょうか?

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コメント

  1. k より:

    ①に関して若手では、やはり塩見でしょうね。二軍やウィンターリーグで成績が抜けてましたからね。
    開幕から一軍でバレンティンの途中交代かの出場で結果を残せるかでしょうね。
    次は村サード争いでしょうか、川端も既にレギュラーではないですし村上も2年目からフルで働れけるとほどプロは甘くないので大引・宮本含めて誰がポジション取れるか分かりませんね(村上をどこまで我慢して使えるかですかね)
    あと気になる所では奥村ですね、おそらく試合が決まった後の山田の控えになると思うのですが山田もメジャー挑戦や数年後にFAになることを考えると奥村に期待したいですね。
    ②は1番重要で順位に大きく影響与えるポイントですね。近藤・石山が二年連続で働けるかだと思いますが梅野・中尾の二人が1年通して結果を残せるかでチームの成績も変わってくるでしょうね(あとハフとマクガフどちらか一人でも機能してくれればですね)。
    ③は複数年契約も獲得した事で球団からも信頼されてる中村が主戦で間違いないでしょうね。ただ中村を起用するかは打撃次第になってきますね、あと盗塁阻止率も3割切るようだと松本や古賀への若手へ切り替えになるので、そうなると優勝争いは難しいと見てます。
    捕手は中村が打てるかが全てだと思います。

  2. ななし より:

    これは素晴らしい記事だと思います
    1、2、3、4 それぞれほとんど同意ですが特に1ですね
    他にも期待したい若手はいますが、やはり塩見、廣岡、村上ですよね
    村上は高卒2年目で過度な期待は良くないですが
    今年はある程度のチーム成績には目をつぶって、多少強引にでも若手を使う年かなと思っています

  3. sabo より:

    おっしゃる通り去年のシーズン2位という躍進はベテランの奮闘が目立ち若手の台頭という目標は今一つでした
    2019年の注目の若手野手は間違いなく、塩見、廣岡、村上でしょうね
    中でも塩見は年齢的にも結果を出さねばと本人も勝負の年だと感じているのではないでしょうか
    対左投手先発の時には雄平の代わりにスタメン起用というのはかなり固いと思っています
    特にヤクルトにはクリーンナップ向きの選手が少ない(青木も坂口もクリーンナップだと打てない)のである程度長打も期待できる塩見をクリーンナップに入れられればと小川監督も考えているのではないでしょうか
    またバレンティンや青木が休みを取る試合もあるでしょうし、チャンスをしっかり掴んで彼らをレギュラーから追い出す活躍をしてもらいたいですね

    サードのポジションが廣岡、村上をはじめ宮本、奥村、藤井、トレード加入の太田でベテラン川端大引と争う激戦区として注目してます
    中堅と言える選手がいないだけに結果的に川端大引が守っている気もしますが……
    それに特に川端は今の年齢でポジション奪われてたらいかんでしょうしもういちど輝きを取り戻せるか勝負の年ですね


    個人的には、加えて先発投手がどう結果を残せるか期待してます
    リーグの中でも高指標である原、小川と、イニングイーターとして期待できるブキャナン。この三枚看板にトレード加入の高梨の4人はローテを守ってもらわねばなりません
    残りの2枠をベテラン石川、若手高橋、星、新人清水が交代で入る感じでしょうか。新人坂本と久保は起用法がどうなるのかわかりませんが楽しみです
    まあそれでも原と小川に尽きますね。去年も良く投げてくれましたけど今年こそ規定イニングと二桁勝利。これが二人に課せられているハードルだと思います。このハードルをマイルストーンとして最終的にタイトル目指して欲しいです

  4. FIYS より:

    > kさんへ

    中村に関しては、ネット上では批判的なコメントもよく目にしますが、打撃でもう少し数字を残せれば評価は一変すると思います。それだけにもう少し数字を伸ばしてもらいたいですね。

  5. FIYS より:

    > ななしさんへ

    昨シーズン我慢して使われたのが廣岡でしたが、我慢できるラインはありますよね。我慢できる数字を残し続けられるか?という部分が大事になってきますよね。

  6. FIYS より:

    > saboさんへ

    小川、ブキャナン、原がどの程度イニングを喰えますかね。3人とも160回~180回を投げてくれれば投手陣はだいぶ楽になりますよね。

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