ヤクルト4-2ソフトバンク
高橋の復帰登板を勝利で飾り、ソフトバンクとの3連戦を2勝1敗で勝ち越してみせた。今現在の戦力、チーム状況でよく勝ち越してくれたと思う。今日の戦い方は、2018年前半戦の戦い方を思わせるような戦い方だと感じた。
ヤクルトは、2017年シーズンに96敗を喫してしまい、どん底のチーム状況にあった。そんな中で監督に就任した小川監督、宮本HCは、送りバントで確実にランナーを進塁させることで得点力アップを図った。正直今現在のヤクルトと当時の前半戦のメンバーを見比べた場合、2018年の方が戦力は充実していたと思うのだが、小川監督、宮本HCは、特定の主力メンバー以外には、送りバントでランナーを進めることを求めた。この作戦が功を奏したかどうか?という部分は分からないのだが、チームとしての約束事、戦い方が統一されたことで、選手達が迷いなくプレー出来たという利点はあったのではないだろうか(もちろん開幕時レギュラーを獲得した廣岡ら一部の選手に関しては、この戦略によって苦しんだ部分もあったと思われるが…)?
主力の長期離脱により、迫力不足に陥った今シーズンのヤクルトは、交流戦に入ってからも得点力不足に悩まされている。そんな中で高津監督、嶋HCは、2018年の小川監督、宮本HCと同様送りバントに活路を求めている。今シーズンは、これまでも送りバントで走者を進めようと試みる姿は多かったのだが、交流戦前からは特に送りバントが目立っているように感じる。今日のゲームでも初回からの送りバント、1アウトからの送りバントも使いながらゲームを組み立てていった。ここまで送りバントの成功率は決して高くなかったため、裏目に出ることも多かったのだが、今日のゲームでは4つの送りバントをしっかり決め、そのうちの3つが得点に繋がることとなった。ロースコアのゲームで勝ちを拾う他ない状況のチームだけにこういった細かいプレーを決めることはとても大切なことである。
復帰登板となった高橋は、離脱前に比べても遜色のないような投球を初回から披露してくれた。ストレートは150キロを超え、カット、スライダーも効果的に使い、ある程度力でもねじ伏せられるような出来の良さだった。ここにカーブとチェンジアップを加えて緩急も使えていたため、チームバッティングに特徴のあるソフトバンク打線相手にもしっかりゾーン内で勝負することが出来ていた。
3回、4回は四球も絡んだ中で複数のランナーの出塁を許してしまったのだが、マウンド上で自分のイメージと身体の動きをアジャストさせようとする仕草が目立ち、最終的には素晴らしいボールを投げ込み、無失点で切り抜けてみせた。5回94球という球数は、ある意味では高橋らしい数字になってしまったのだが、復帰登板ということを考えれば、良い出来だったのではないだろうか?徐々に球数とイニングを増やしていってもらいたい。
リリーフ陣では、ここまで中々結果が残せていない田口が、久々にマウンドで躍動してみせた。3-0と3点リードで迎えた6回を任されたのだが、柳町、近藤、山川という中軸を完璧に抑えてみせた。柳町と山川には、ストレートで三振を奪っており、ようやくボールの威力が戻って来たと感じさせてくれた。今日のような投球を継続できるようであれば、チームにっては非常に大きな存在となる。
7回は矢崎が野村に2ランホームランを浴びて、嫌な雰囲気になったのだが、ピンチで登板した金久保が昨日のゲームで決勝打を放ったベテラン中村をキャッチャーファールフライに斬って取り、リードを守ると、8回、9回は星、石山のリレーで逃げ切ってみせた。
星は1点差での登板、石山は2点差での登板ということで、決して簡単なシチュエーションではなかったのだが、しっかりソフトバンク打線を「0」に抑えてみせた。特に石山の安定感は頼もしい限りである。石川という大ベテランがいるため目立たないのだが、石山も9月に37歳を迎えるベテランである。この歳になってもう一度ボールのキレを取り戻したことが素晴らしい。ルーキーイヤーからフォームが非常にきれいな投手なのだが、今シーズンは左足を上げた際にしっかり右足に体重を乗せ、その体重を投球時に上手く伝えることが出来ているように感じる。身体の状態も良いのではないだろうか?低迷するチームにとって頼もしい存在である。
攻撃陣は、1番センター並木、2番セカンド武岡、3番ファーストオスナ、4番レフトサンタナ、5番ライト内山、6番キャッチャー中村悠、7番ショート北村拓、8番ショート伊藤、9番ピッチャー高橋というスタメンとなった。1,2番の組み方は私の好みの組み方である。以前の記事にも書いているのだが、1番にスピードタイプ、2番に小技も出来る左バッターというのが希望だったため、並木、武岡でなくともこのタイプの2人を並べることは少し継続しても良いのではないか?と感じている。
今日は初回に並木がヒットで出ると武岡が送り、オスナがヒットで返すという流れるような攻撃でわずか7球で先制すると5回には北村拓が送った直後に伊藤に2試合連続となる第3号2ランホームランが飛び出した。3本のホームランは全て甘いコースへの失投気味のボールではあるのだが、そのボールをしっかり捉えてスタンドインさせるところに伊藤の潜在能力の高さを感じさせてくれる。まだまだコンタクト率も高くないのだが、それでも初球からファーストストライクからバットを振っていくことが出来ているところが素晴らしい。まずは守備面で確率を高めていってもらいたいのだが、その中で打撃技術も高めてもらえれば、長岡のライバルになり得るかもしれない。
そして8回には2アウト満塁の場面で7回の守備から試合に出場していた岩田が押し出しの四球を選び、貴重な追加点を上げてみせた。簡単に追い込まれてしまったのだが、ここから粘り、フルカウントまで持っていくと、最後は杉山が根負けする形で四球を与え、岩田が大仕事をしてみせた。敗戦に直結するようなミスも続いてしまったのだが、それでも1軍のゲームで出場機会を与えられ、岩田らしいプレーも見せてくれている。少しずつではあるが、一軍のプレーヤーに成長していっているのではないだろうか?
ソフトバンクに勝ち越せたことを来週に繋げてもらいたい。ロースコアのゲームを1つでも多く拾う。それが今のヤクルトの戦い方である。
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コメント
現有勢力を考えれば、高津&嶋は「こういう勝ち方をしたかったんだよ」というサンプルになり得るゲーム。何試合にもわたり、送りバントの失敗が続き、しかもそれが致命的だったこともあり、ファンのストレスもなかなかだったわけですが、ようやく綻び無くゲームを進められました。もちろん伊藤のホームランは良い誤算でしたし、矢崎の失点はヒヤヒヤしましたが。
本来なら控えや2軍だったかも知れない選手達が、ようやくチームの現状と自分の立場・役目と、そしてチームの方針に慣れ始めたとも言えるのかも知れません。
ホームランよりも二つの三振を反省する伊藤に心からのエールを。
そして、試合開始前の球場全体を(外野のライトスタンドのファンまでもを)盛り上げてくれたハリーホークに感謝感謝のホークス交流戦でした。
grassさんへ
そうですね。「こういう勝ち方をしたかったんだよ。」というサンプルになり得るゲーム、そのものだったかもしれませんね。
ソフトバンク戦を勝ち越したことで少しでも光が見えてくると良いのですが…。
現地観戦でした。
今年はヤクルトの勝利は貴重なので喜びもひとしお。とくにリードを守っての勝利はホントに珍しいのでは?
高橋奎二が戻ってきたのは大きいですね。復帰戦なので100球目処だったかもしれませんが、高橋奎二と吉村は5回で下りていいピッチャーではないと思います。これからもチームを引っ張る投球を期待します
伊藤は(まだ始まったばかりですが)交流戦シンデレラボーイですね
右打ちショートというのも良いですね
今の戦力でやれることをやる、というなかで守備走塁のミスを減らさないといけないなかでエラーではないですがセーフティバントを決められたのは明日からは頭に入れないといけないかなと思いました。SBもバント処理のエラーがあって押し出しに繋がったのでやはりどのチームもミスが失点に繋がるなぁと。
とにかくコツコツと、ですね。(攻撃は大胆さが必要だと思いますが)
saboさんへ
現地観戦お疲れさまでした。良いゲームを見られましたね!
守備、走塁のミスを減らすことは大切ですよね。出来ることをきっちりこなしながらチャンスをものにしていきたいですよね。