小林陵侑

その他スポーツ

ノルディックスキーのワールドカップ(W杯)ジャンプ男子は19日、ルーマニアのルシュノフで個人第22戦(HS97メートル、K点90メートル)が行われ、小林陵侑(土屋ホーム)が合計257.9点で今季2勝目を挙げ、葛西紀明(同)を抜いて日本男子単独最多となる通算18勝目を挙げた。
(時事通信引用)

小林陵侑の記事に関しては、本当は2018-2019シーズンに総合優勝を果たした時に記したいと思っていたのだが、タイミングを逸してしまった。2018-2019シーズンの強さはあまりに衝撃的であり、これまでの日本人ジャンパーの活躍が霞むほどの強さだった。オリンピック翌年のシーズンというタイミングではあったのだが、シーズン13勝での総合優勝ということで、凄いジャンパーが現れたと思ったものである。
小林陵侑をはっきりと認識したのは、平昌オリンピックの時だった。この時の日本チームのエースは兄の小林潤志郎、もしくは大ベテランの葛西という感じだった。しかし小林潤志郎はオリンピック前に状態を崩しており、葛西も表彰台を期待できる所までには至っていなかった。そんな日本チームで気を吐いたのだが、小林陵侑だった。個人ノーマルヒルで7位入賞を果たすなど、結果を残し、一躍日本ジャンプ陣のエース候補に名乗りを上げた印象だった。しかし翌シーズンの大躍進に関しては、想像以上のものがあった。ワールドカップ初優勝を皮切りに、勝利を積み重ね、1シーズンで13勝を上げ、ヨーロッパ伝統のジャンプ週間では4戦全勝のグランドスラムを達成するなど、信じられないスピードで世界一に登りつめてみせた。他の選手とは明らかに違う飛行曲線で伸びていくジャンプは美しさを感じる程だった。
19-20シーズン、そして今シーズンは18-19シーズンの出来からすると物足りなさも感じてしまうのだが、それでも世界のトップレベルで戦い続けていること自体を賞賛すべきだと思っている。ジャンプという競技はおそらく非常に繊細なものが求められる競技なのだと思われる。筋力や体重という試合前のコンディション作りからアプローチの姿勢、ジャンプのタイミングや角度、飛行姿勢、着地など多くの技術が求められる競技であり、それらの歯車が少しでも狂うと本来の形に戻すまでに時間がかかる競技だと理解している。18-19シーズンの小林陵侑のように1シーズンの中で絶対王者として君臨する選手は、ある程度出現するイメージがあるのだが、その強さを複数シーズンにおいて維持する選手は滅多に出て来ない印象である。そんな繊細な競技で18-19シーズン以降も勝利を重ねている小林陵侑は、やはり日本ジャンプ界の歴史上最強のジャンパーなのだと思う。まだオリンピック、世界選手権といった舞台での個人のメダルは獲得していないのだが、今シーズンの世界選手権、来シーズンのオリンピックでメダルを獲得し、一般人にも名が知られる選手になってもらいたい。偉業を達成した割にまだまだ知名度の低いスポーツ選手だと感じる。大舞台での大ジャンプに期待したい。

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コメント

  1. パイン より:

    せっかくの大記録なのに、今年は人々の目線が内向きになっていることもあり、注目度が今一つなのは残念ですね。妻が岩手出身ということもあって、少し前から知られた選手。特徴があって覚えやすい名前だった印象です。ただ技術的な難しさもあって、なかなか語られることはないんですよね。今後の活躍で更に注目される選手になってもらいたいと思います。

  2. FIYS より:

    パインさんへ

    時代が時代ならかなり騒がれたであろう大記録なんですけどね。世界選手権やオリンピックでメダルを獲得しないと中々知名度は上がってこない時代ですよね。

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