ピストル打線と廣岡大志

ヤクルト1-2巨人

試合前に巨人の丸、中島のコロナウイルス感染が発表された。先日のヤクルト西田に次ぐ感染ということで、昨シーズン以上にコロナの脅威を感じながらのシーズンになりそうである。
試合の方は、両チームの打線の脆さが露呈するゲームとなった。ヤクルトのピストル打線では多くの得点は期待できず、単打で繋いだチャンスも得点に繋げることは出来なかった。そんなゲームでヒーローになったのが、ヤクルトから巨人に移籍したロマン砲廣岡だった。皮肉なものであるのだが、昨日の田口、今日の廣岡とトレード先で活躍出来ていることを喜びたい気持ちもある。

廣岡が代打で登場したのは、1-1に追い付かれた後の2アウト3塁という場面だった。代打廣岡が告げられたところでヤクルトはサウスポーの坂本から右の梅野にスイッチした。何とかここを凌いで、1-1のままゲーム最終盤を迎えるための梅野投入だったのだが、廣岡は梅野の外角高めのストレートをバットの先ながらタイミングよく捉え、打球は左中間フェンスに直撃するタイムリー3ベースとなってしまった。バットの先でもしっかり振り切りあそこまで飛ばせるというのが廣岡の魅力である。新外国人選手がまだチームに合流出来ず、青木、内川、山田が離脱する中で本来であれば廣岡の長打力に期待したかったのはヤクルトだったと思うのだが…この展開での廣岡の一撃には悔しい気持ちになってしまう。首脳陣もバッテリーも、多少連係ミスに見えた山崎、塩見も今頃悔しい想いをしているのではないだろうか?廣岡の勝ち越し3ベース直後の巨人ベンチの笑顔が印象的だった。廣岡はこのまま巨人の一員として自分の武器を磨いてもらいたい。

ヤクルトの先発金久保は初回から150キロを超えるストレートを軸に丸、ウィーラーが欠ける巨人打線を抑え込んでいった。昨シーズンに比べて明らかにストレートのスピードのアベレージが上がっていた。ストレートも変化球もコントロールにばらつきがあったのだが、打者のバットから遠い外角のボールを軸に力で巨人打線を抑え込んでいった。決して内容は良いようには感じなかったのだが、ランナーを出してからも大きく崩れずに投げ切れたのは印象的である。5回を被安打2与四死球2の無失点という数字を残せたことを自信に変えてもらいたい。高校時代に得意としていたスライダーのコントロールが磨かれるともう少しピッチングが楽になるのではないだろうか?ストレートに力強さが増してきただけに今後が楽しみである。
リリーフ陣は6回から継投に入った。その6回は近藤が重信、坂本、岡本という上位打線を簡単に料理してみせた。試合展開的にもポイントになるイニングかな?と感じながら観戦していたのだが、そのイニングを完璧に抑え込んだことによって、近藤の評価はこれまで以上に上がったのではないだろうか?この時点では1-0という僅差のゲームだったのだが、6回を無失点で抑えたことによって、少し勝利に近付いたと感じる6回表の近藤の好投だった。
今日はおそらく清水を休ませる予定だったと思うのだが、7回に登板した坂本は先頭の石川に四球を与えると大城にヒットで繋がれてしまい、香月送りバントの後、古賀のパスボールで同点に追い付かれてしまった。ボールのキレ自体は悪くなかったのだが、先頭石川へのストレートの四球は頂けなかった。この四球が同点、逆転に繋がってしまった。今後の課題である。

打線は今日も山田を欠く中で、いわゆる「ピストル打線」を組まざるを得ない状況なのだが、この3連戦全てで先制点を奪うことに成功した。初戦、2戦目はいずれも村上のホームランによる得点だったのだが、今日は村上がヒットで出塁すると盗塁と荒木の送りバントで1アウト3塁という形を作り、太田のタイムリーで先制点を奪ってみせた。この得点の獲り方は見事だったと思う。オーソドックスに行くのであれば、0アウト1塁の場面で荒木に遅らせ、1アウト2塁から勝負を掛ける場面なのだが、この場面は1アウト3塁という場面を作ることに成功し、得点の確率を高めることに成功してみせた。
逆に9回は荒木がヒットで出塁し、代走にルーキー並木を送ったのだが、ここは太田に送らせて、1アウト2塁から勝負を掛ける形を作った。先日のゲームで代走渡邊が初球スチールを企図し、今日の2回の村上の盗塁もあったため、完全にマークされている中ではあったのだが、並木を起用するのであればギャンブル的に盗塁させても面白いかな?と感じた場面だった(もちろん1アウト2塁から西浦、中村のバットに期待するのも悪い手だとは思わないが…)。

長打が期待できるのが村上のみ(強いて言えば塩見もか。)という打線では、打って繋いでいくのは中々難しい。2回は理想的な形で先制することが出来たのだが、その後西浦、古賀の単打を得点に繋げることが出来なかった。これがピストル打線の悲しい所である。そんなゲームで廣岡にやられてしまったことに何とも言えない気分になってしまう。

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コメント

  1. sabo より:

    デラロサの牽制やクイックがどうかは知りませんが一般的に助っ人投手で特にリリーフはあまり得意でない投手が多いイメージがあるので並木にスチール勝負してもよかったと思いますね

    カード1勝1敗1分はそれ自体は悪くないはずですが、3試合の流れを考えるとちょっとなぁ。もったいないと思うのは贅沢なのか
    横浜戦は魔境みたいなおかしな試合でしたが、この3連戦はタラレバの多い1プレーが試合を左右してしまう試合
    もう0.5勝出来ていればかなり感触良かったんですけどね

    近藤は安定感もあって素晴らしいですね

  2. タラちゃん より:

    試合見れてないからハイライトだけだが、
    金久保良かったみたいね。
    暫くは奥川と交互に中10日かな?期待したい。

    酷い。準備不足としか言い様の無様のが古賀。
    低めの球をバッタ取りみたいに被せて取りに行くとはね。
    古賀も悪いが、捕手コーチは今まで何を教えてたのか聞きたい。
    まさか草野球でもなかなか見られない失態晒すとはね。
    さすがの里崎チャンネルでも批判してたね。
    まあ彼は何だかんだでおいらと違い優しいけど。
    おいらなら即交代させるから。

    まああれ見せつけられたら、
    投手は低めに投げられないわね。
    それがあそこの球しか打てない廣岡に打たれる原因。
    投手に捕球に関して気を遣わせたら終わりだよ。

    古賀に関しては内山いるし、もう厳しいのでは?
    あとはバッテリーコーチの手腕?と思わせられてしまう出来事でしたね。

  3. JEF九郎 より:

    私は若手キャッチャー陣に期待してましたが、アレは流石に擁護しようがないですね。

    内山くん、夏ぐらいには一回一軍で見てみたいです。

  4. FIYS より:

    saboさんへ

    1勝1敗1引き分け。ロースコアの接戦ばかりでいずれのゲームも先制点を奪っていただけに見方によっては、もったいないという見方も出来ますよね。

  5. FIYS より:

    タラちゃんさんへ

    金久保は力強さが増していましたが、投球内容はまだまだの印象でした。

    古賀は開幕戦のバント失敗もそうでしたが、こういったミスをしてはならないタイプの選手ですからね…残念なプレーとなってしまいました。

  6. FIYS より:

    JEF九郎さんへ

    内山壮は、1軍登録されましたが、出場機会はありますかね?

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