勝ち投手は小川

ヤクルト3-5阪神

負け投手も小川である。勝てるゲームを落としてしまった。小川から大下への継投に関しては、高津監督が現状の小川を信頼しきれていなかったからこその継投だったのだと思う(コロナ感染後、復帰2戦目ということを考えると仕方ない判断だったか…)。これで昨日の「勝ち」は吹き飛んだ形だ。阪神にとっては、今日の1勝は大きな1勝となった。

先発の小川は、前回の巨人戦は4回途中でマウンドを下りることになってしまったのだが、今日は立ち上がりからボールに威力、キレを感じ、調子は良いように映った。2回の0アウト満塁のピンチも糸井のファーストゴロによる1点に抑えたため、ある程度は投げてくれるであろうという安心感があった。打線が先制点を奪い、リードする形で試合が進んでいたため、ペース自体はヤクルトが掴んでいるように感じていた。しかし5回に1アウトから梅野を四球で歩かせると続く伊藤将の打席で阪神ベンチはロハス・ジュニアを代打に送ってきた。長打のある打者であることは小川ー中村のバッテリーも理解していたと思うのだが、初球のストレートが甘く入ってしまった。その失投を捉えられると打球はセンターバックスクリーンに飛び込む同点2ランホームランとなってしまった。梅野を四球で歩かせており、ロハス・ジュニアに対しても警戒し過ぎてカウントを悪くすることは避けなければならなかったのだが、それにしても不用意に感じる1球となってしまった。
小川は6回もマウンドに上がり、2アウトを取ったのだが、サンズにセンター前ヒットを許したところで降板となってしまった。球数は99球を数えていたため、球数的には妥当な交代ではあったのだが、本来であればこの場面で交代を告げられる投手ではないため、高津監督がまだ小川の状態が上がり切っていないと判断した中での継投だったのだと思う。小川としても高津監督をはじめとする首脳陣に状態が上がってきていることをアピールしなければならない立場にあると思うのだが、5回の梅野四球、ロハス・ジュニアホームランの流れがあまりにも悪過ぎた。小川にとって悔いの残る登板になってしまったのではないだろうか?
昨日のゲームで勝ちパターンのリリーフ陣を温存出来ていただけに、おそらく7回からは今野ー清水ーマクガフを惜しげもなく継ぎ込む予定になっていたと思うのだが、6回のもう1つのアウトを取る役割を与えられた大下が大山に2ランホームランを浴びてしまった。大下も非常に慎重に投げている様子が伺えたのだが、フルカウントからの6球目のスライダーが吸い込まれるように真ん中に入ってしまった。いわゆる「ホームランボール」とでも言うような失投が大事な場面で飛び出してしまった。この辺りはフォームをいじってからまだ日が浅いだけに大下自身緊迫する場面で自分が思うようなフォームで投げ込めなかったということになるだろうか?あまりにも痛い一発となってしまった。
試合展開的にも良い流れのゲームになっていただけに小川がロハス・ジュニアに浴びた2ラン、大下が大山に浴びた2ラン共に防がなければならない一発だったし、厳しいことを言えば防げる一発だったように思う。

打線は阪神先発伊藤将と初対戦となったのだが、2回にオスナのタイムリーで先制すると、その後オスナ、サンタナがダブルスチールを決めるなど伊藤将を揺さぶり、2アウト後に小川のタイムリーでもう1点を追加してみせた。3回には山田にソロホームランが飛び出し、上手い具合に伊藤将を崩していたのだが、6回以降は阪神のリリーフ陣に抑え込まれてしまった。崩すのであれば小川、及川相手に得点が欲しかったのだが、今日は小川、及川にしっかり抑え込まれてしまった。
前半戦に比べればゲーム終盤も難攻不落の印象はないのだが、それでも簡単に打ち崩せる相手ではない。やはり序盤でしっかり得点を奪えていただけに、そのリードを活かした展開に持ち込みたかったということなのだろう。

勝てる展開に持ち込めかけていただけに痛い一敗となってしまった。問題は明日である。ヤクルト、阪神共に先発は高橋である。ヤクルトの高橋に関しては、状態が良いだけにしっかり試合を作ってもらいたい。阪神の高橋に関しては、今シーズン初登板ということで状態が分かりづらいのだが、それだけに立ち上がりにしっかり得点を奪い、ペースを崩したい所である。ヤクルトにとっては「勝負の一戦」である。

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コメント

  1. JEF九郎 より:

    小川に関しては避けたい投球でしたが、体調面まで考えれば致し方ないと個人的には思います。
    疑問は采配の方ですかね。

    前日の坂口・宮本の起用が当たり、今日のスタメンを注視してましたが、普通の左対策シフト(イツメン)に戻しての打線沈黙。確かに長い目で見れば、左対策シフト(イツメン)は主力メンバーが揃っているので間違った判断では無いと思いますが、一昨日の大勝で得た勢いは自ら捨ててしまいましたね。

    また、大下のところもいつもどおり?!の勝ちパターン温存が仇に。

    個人的にはこの阪神戦は、FIYSさんもおっしゃるとおり優勝に向けては篩に掛けられている第一関門だと思ってます。故の一昨日は大胆に不調の山田・塩見に代わり、宮本・坂口起用だと思っていたのですが、単にいつもの青柳対策だったのかも知れませんね。


    高津監督は勝負どころはまだ先と判断しているのかも知れませんが、今日の采配と結果が気になるところです。

  2. FIYS より:

    JEF九郎さんへ

    初戦に関しては、当然青柳対策という部分もあったかと思います。

    私自身は基本的には現状のメンバーのオーダーが気に入っています。1番塩見、2番青木、3番山田、4番村上、5番オスナ、6番中村、7番サンタナ、8番元山or西浦、9番投手が基本線であって良いと思っています。

  3. sabo より:

    なぜ代打のロハスジュニアにインコースのストレートを投げてしまったのか
    せめて外にするか変化球にすべきでした
    先週と違いこの日の小川の調子ならボール先行を恐れる必要は全くなかったし勝負を急ぐ必要なかった
    小川も中村もベテランに近い立場ですから頼むぜという気持ちになりますね

    大下の被弾については「青さ」というか経験不足ですね
    四球にしちゃいけないという気持ちは分かるしその通りなんですけど、それでもやっぱりストライクゾーンギリギリを狙わないといけないんですよね。四球は出してはいけない場面ですがそれでもギリギリに投げて審判がボール判定したところでまだ塁は空いてたわけですから。リリーフはとにかく図太い神経で投げないといけませんね

  4. FIYS より:

    saboさんへ

    ロハス・ジュニアのホームラン、大山のホームランともにヤクルト側から見ると内容が良くなかったですよね。打たれること自体は仕方ないのですが…

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