徳山の勝ちも消える

ヤクルト3-3巨人(延長12回)

久々の先発となった徳山が好投したもののリリーフ陣が踏ん張りきれず、徳山のプロ初勝利はお預けとなってしまった。勝ちたいゲームだった。

5月22日の日本ハム戦以来の登板となった徳山は、その時の日本ハム戦同様4回までノーヒットピッチングを披露する。日本ハム戦ではマメを潰してそのまま降板となったのだが、今日は5回以降も投げ続ける。前回の登板時との一番の違いはコントロールにあると思う。日本ハム戦では全く制球が定まらなかったのだが、今日はどの球種もしっかりコントロールされており、自分の意図することが伝わってくるような投球を見せてくれた。(中村の配球も良かったのではないだろうか。)
この徳山、先週まで火曜日の先発を担っていた古野以上に特徴が分かりづらいピッチャーだ。テレビで見ていても何が良いのか素人の私にはよく分からない。しかし相手打者は何となく打ちづらそうにしているのである。今日はコントロールが安定していたというのはあるのだが…
ストレートは140キロ出るか出ないかくらいなのだが、バッターは捉えられず、時々投げるフォークはチェンジアップのような効果があるのかバッターがタイミングを狂わされている。オーソドックスな右腕でプロの世界で通用するようなキラリと光るものを私はまだ見つけられないでいるのだが、徳山の良さを説明できる人はいるだろうか?
私なりに今日の時点で徳山の武器になりそうなものを挙げると①コントロール②フォークボール③ボールの角度
こんなところだろうか?
①についてはこれが安定しなければ1軍での活躍は難しそうだ。今日は良かったのではないだろうか?次回も同じような投球が出来るだろうか?
②については先程も触れたのだが、打者にとって邪魔になるボールなのではないだろうか?このフォークがあるからこそストレートが活きるのではないだろうか?ストレートあってのフォークではなくフォークあってのストレートということで本格派というよりは技巧派の部類に入るだろうか?
③については確信できるものではないのだが、オーソドックスに見えて思った以上に高い角度から投げ込まれているフォームに打者が惑わされるのではないかと考えた。一見手投げにも見えなくはないのだが、角度を付けた投球と言ってしまえば聞こえは良くなる。
的外れなことを言っているかもしれないが、この3つが徳山の武器だろうか?
今日は結局6回1/3で106球を投げて被安打2与四球1の2失点(降板後の失点)という数字が残った。強力巨人打線を相手にナイスピッチングである。

この徳山の好投にリリーフ陣が応えたかったのだが、7回途中から登板した藤田は初球を暴投してしまい、1点を失うと続く坂本にもヒットを浴びて、何も仕事をすることが出来なかった。またもやピンチで登板となった山本哲はロペスに犠牲フライを浴びてしまい、あっという間に1点差とされてしまう。
8回はバーネットが三者凡退に抑え、一旦は流れを食い止めたかに見えたのだが、9回に石山が掴まってしまった。石山はボール自体はまずまず走っているように見えたのだが、村田に粘られた挙句に四球を与えてしまうと2アウトから坂本に繋がれてしまう。坂本の打球は詰まっており、ショートの谷内が後一歩で捕球出来たのだが及ばなかった。非常に惜しい場面だった。結局坂本に盗塁を決められた後、ロペスを歩かせ、代打矢野と勝負したのだが、同点タイムリーを浴びてしまった。後一歩だっただけにショックは大きかったのだが、その後のピンチは何とか凌いでくれた。徳山のプロ入り初勝利を消してしまったのだが、石山にとっては何事も勉強である。坂本、矢野のヒットは変化球が甘く入ってしまった。これでは巨人打線は止められない。
10回からは久古ー阿部ー七條と繋いで巨人打線を何とか0点で抑え、引き分けには持ち込むことが出来た。徳山の勝ちが消えてしまったのは残念だったが、現状ではこれが精一杯と言った所だろう。

打線は、今日も塁上を賑わすものの中々得点に結びつかず、9回までに12安打5四死球を貰いながら得点は3点しか奪うことが出来なかった。先日のDeNA戦の記事にかいたばかりなのだが、打つ能力だけに関しては他チームに引けを取らないと感じている。今日も山田4安打、上田2安打、飯原3安打と結果を残している選手がいる。それでも得点は3点である。走塁ミスやチャンスでの凡退は相変わらずでやはり恐さや嫌らしさを感じない打線である。1,2番がそこそこ仕事をしても点が取れないとなると相当厳しいと言わざるを得ない。オープン戦ではないのだから、ただ打って得点を取るスタイルでは大量点には繋がらない。チームで戦うという意識をもっと強く持ってもらいたい。

「今日のバレンティン」
4打数1安打1四球
試合前に巨人は勝負するとの報道があったのだが、報道の通り内海は勝負してきた。バレンティンに対しては失投はなかったと思うのだが、3打席目には追加点に繋がる2ベースを打ってみせた。カウント2-2と追い込まれた中でインコース低めのストレートを上手く肘をたたんで打ってみせた。技ありのバッティングだった。このボールはおそらく内海の中ではベストボールに近いボールだった思うのだが、打ち返してみせた。ホームランこそ出なかったが、ナイスバッティングである。この3連戦の中で1本は打っておきたいところである。

P.S 富山アルペンスタジアムは人工芝が張り替えられ以前よりも素晴らしいスタジアムに変化しましたね。今日のテレビ中継でも触れていたのですが、93年のこのカードでは古田への死球から不穏な空気が漂い始め、その後大乱闘に発展したゲームがありました。あの頃のヤクルトー巨人のピリピリ感は今のプロ野球が失ってしまったものの一つと言えるかもしれませんね。乱闘自体は決して良いことではないと思いますが、もっと強い気持ちをもって戦ってほしいという気持ちは持っています。なりふり構わず巨人を倒してもらいたいものです。

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コメント

  1. 久保田 より:

    徳山ファンの久保田です。ファームで見てても徳山という投手は、確かに「売り」がないと思いました。でも、不思議と抑えていました。これは、私は「育成から一軍の投手に!」という、徳山自身の気概がもたらしているものではないかと思います。さて、個人的には今年はもう最下位を覚悟しました。来季、頑張り直しましょう!今の燕には、小川、八木、そして木谷、古野、徳山と期待したい若い先発陣・先発候補がいます。そこに館山、石川、村中(ファームでだいぶ良くなっています)が戻ったら強力なラインナップです。ちなみに山本斉も、来季は楽しみな一人です!打線では川崎を試してほしいです!久々の和製大砲に育つ可能性を秘めた選手だと思います。川崎のほか、来季は雄平らの復帰にも期待します。ただあとは内野陣にもう少し大砲…、せめて中砲がいてくれると良いのですけれども…。

  2. FIYS より:

    > 久保田さんへ

    久保田さんは徳山ファンなのですね。2軍戦もチェックしているのですね。木谷、古野、徳山には村中、増渕、由規、赤川のような派手さはないですが、安定感のある渋い先発投手になってもらいたいです。

    川崎は大砲に育つ可能性があるのですね。今シーズン1軍での試合を見ていると少しこじんまりしたバッティングにも見えたのですが…注目してみたいと思います。

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