値千金!全てを帳消しにする代打宮本の決勝打!

2025試合結果


ヤクルト2-1中日

1点差の9回にマウンドに上がった石山がしっかり試合を締め括り節目の100セーブ目を達成したのだが、今日に関しては、代打宮本の勝ち越しタイムリー2ベースを最大限に評価したいと感じている。正直試合内容はあまり褒められたものではなく、故野村克也氏が言う所の「勝ちに不思議の勝ちあり。」という類のゲームだったと思うのだが、負けてもおかしくないゲームで宮本がまさに「値千金」と呼びたくなる一打を放ってみせた。試合内容を見れば、明日以降チームが好転するとは思えないし、明日に繋がる勝利とも言いづらいのだが、それでも「白星が一番の薬」という部分もあるだろう。今のヤクルトに一番必要なのはとにかく勝つことである。その勝ちを引き寄せた宮本の集中力の高さに大きな拍手を送りたい。

ヤクルトの先発ランバートは、私が期待するランバートの姿ではなかった。ビタビタに決めるコントロールは持っていないにしても、ある程度ボールをコントロールし、自分のペースに持ち込むような投球を期待しているのだが、日によってコントロールの精度にバラつきがある印象であり、今日はファストボール系のボールが抜け気味になるのが気になった。中日先発のルーキー金丸が安定感抜群の投球を披露していただけに、先に1点を失うとかなり不利な状況に追い込まれることは目に見えていた。そのような状況下でランバートは毎回ランナーを許す苦しい投球に終始したのだが、ランナーを出しても力でねじ伏せるようなスタイルで何とか中日打線相手に無失点投球を続けていった。4回にヤクルトが先制点を奪った後の5回もしっかり無失点で抑えると、すでに球数は100球を超えていたのだが、そのまま6回のマウンドにも上がり、この回、今日の試合初めての三者凡退で中日打線を抑えてみせた。結局ランバートは、6回で116球を投げ、被安打3、与四死球5の無失点という数字が残った。私がランバートに期待する姿は、豊富な変化球も駆使しながら相手打者と駆け引きをして抑え込んでいく姿なのだが、今日は結果的に気迫と力でねじ伏せるような投球となった。この姿もランバートの投球スタイルの1つだと思うのだが、5回までに5四死球を与えてしまっており、いつ崩れてもおかしくない投球であったこともまた事実である。6回無失点で抑えたのだから先発としての役割は充分果たしたと言えるのだが、内容的にはまだまだ不安が残る。
7回は星が抑え、1-0というスコアのまま迎えた8回は、ここの所リリーフで結果を残している矢崎をマウンドに上げた。しかし1アウトから福永に四球を与えると続く川越にはライトポール際へ特大のファールを打たれてしまう。中日ベンチがリクエストを要求し、スロー映像で見るとホームランにも見えるような微妙な打球だったのだが、判定はファールとなり、矢崎は命拾いした格好となった。ここから切り替えて抑えていければ良かったのだが、結局矢崎は川越を歩かせてしまい、ここでヤクルトベンチは矢崎を諦め、田口を投入する。何とか火消しの役割を果たしてもらいたかったのだが、代打ブライトにタイムリーヒットを浴び、同点に追い付かれてしまう。続くピンチは何とか凌いだものの、大事に守ってきた1点のリードを守り切ることは出来なかった。
9回石山という部分は固定できているのだが、その他のリリーフ陣の起用法が固まらず、日替わり状態になってしまっている。何とかある程度の勝ちパターンは作りたいと思うのだが、結果を残し続けるだけの投手が皆無という状況である。明日以降も苦しいゲームが続きそうである。

そんなゲーム展開でヒーローになったのは宮本だった。ルーキーの金丸からは、内山のヒットにレフトのエラーが絡んだ中で1点は取れていたのだが、それ以外は、チャンスらしいチャンスを作ることもほとんどないままに抑え込まれてしまっていた。8回表には矢崎、田口で1点を失い同点とされてしまい、ヤクルトにとっては嫌な流れとなっていた。それでもこの回からマウンドに上がった勝野から相手エラーと代打中村悠のヒットで0アウト1,2塁と勝ち越しのチャンスを作ってみせる。ここで岩田にしっかり送りバントを決めてもらいたかったのだが、キャッチャーファールフライとなってしまい、ランナーを送ることが出来なかった。勝野は球威があり、中村悠もバントで送れなかったように、送りバントをすることが簡単ではない投手なのだが、それでも岩田タイプの選手であれば、何とか決めてもらいたい場面だった。正直最悪の展開も頭をよぎったのだが、ここで最近ヤクルトの切り札的存在となっている宮本が北村拓の代打で打席に入ると勝野のフォークをレフト線へ運ぶ、タイムリー2ベースを放ち、勝ち越しに成功してみせた。8回表に嫌な形で追い付かれ、この回も岩田のバント失敗によって嫌な空気が流れていたのだが、宮本の一振りで球場の雰囲気を変えてみせた。1アウト2,3塁ではなく、1アウト1,2塁という場面での代打であり、難しさはあったと思うのだが、高い集中力で勝野を打ち崩してみせた。先日は4番で起用されたゲームもあったように宮本の特徴と言えばそのユーティリティ性にあるのだが、今日は代打として仕事を果たしてみせた。この一打は、チーム内の嫌な雰囲気を吹き飛ばす貴重な一打となった。
その後の1アウト2,3塁のチャンスで追加点を奪えなかったことから、石山は、1点差で9回のマウンドに上がることとなった。100セーブに王手をかけてから、チームの不調もあり、セーブを上げるチャンスがなかったのだが、今日は厳しい状況でもそのチャンスを活かしてみせた。最後は上林を三振に仕留めて、通算100セーブを達成してみせた。石山はホールドも125という数字を残しており、100S、100Hの両方をクリアすることとなった。
正直石山がクローザーを務めるということは、もうないものだと思っていたのだが、昨シーズンリリーフ陣の不調もあって5セーブを上げると、今シーズンも開幕当初はクローザーではなかったのだが、その後クローザーに抜擢され、10個目のセーブを記録してみせた。プロ13年目での100S達成であり、盤石のクローザーとして起用され続けたのは2018年シーズンくらいなのだが、チーム状況によってはクローザーを任されることがあり、その都度コツコツと結果を残し続けてみせた。だからこその100S達成である。昨シーズンも好調時にクローザーを任されることがあったのだが、好調は長続きしなかった。今シーズンは今の好調をどこまで維持することが出来るだろうか?

サンタナの欠場、ランバートの荒れ球、リードを守り切れないリリーフ陣、大事な場面での送りバント失敗、チャンスでの拙攻などどちらかというと課題の方が目についたゲームなのだが、それらの課題を帳消しにしてくれたのは宮本の一打だった。やはり今日は宮本に最大限の賛辞を送りたい。




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コメント

  1. grass より:

    100球超えているのに6マウンドに上がって6回を抑えたランバートと、7回の星。
    地味に敢闘賞。
    「明日に繋がらない勝ち」。
    ホント、そんな試合でした。
    「ヤクルトごときには負けられない」という、相手が勝手に抱えるストレス、プレッシャーも勝利のエッセンスかもしれません。
    そのためにも、とにかく「リード」です。
    逆転負けの悲しみを覚悟した上で、とにかく先制点。昨今のスワローズのバントの多さには賛否あるでしょうが、やると決めた以上ほ、決めてくれ、ですね。

    • fiys より:

      grassさんへ

      送りバントについては、私はそれ程違和感を感じる場面はないのですが、決められないとなるとそれはそれで策を練る必要がありますよね。

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