負けゲームの流れではあったが…リリーフ投手の重要性を改めて感じたゲーム。

ヤクルト6-5DeNA(延長11回)

由規が4回に掴まり、5点を失い、逆転を許した地点で今日のゲームは相当厳しい展開になったと感じたが、その後を受けたリリーフ陣が11回まで無失点でリレーし、試合を作り直してくれた。改めて現代野球におけるリリーフ投手の重要性に気付かされるゲームとなった。今日の勝利の立役者は風張ー秋吉ー中尾ー近藤ー石山ー松岡のリリーフ陣である。しかしあくまでも「今日のゲーム」に限っての話しであり、今のヤクルト投手陣の現状を考えると今日のゲームでは勝ちを拾えたものの「今シーズン」という括りで考えると相当厳しいということも感じさせられるゲームとなった。対戦相手のDeNAと比べてもリリーフ陣に関しては、質、量ともにDeNAの方が上である。

先発の由規については、前回の登板時にも辛口な記事を書かせてもらったのだが、今日も先発ローテを担うという意味では厳しい言葉をかけるしかないような投球内容となってしまった。前回は5回まで0を並べ、今日も3回までは0を並べていたのだが、結局前回登板時は6回に崩れ、降板し、今日のゲームでは4回に崩れて降板してしまった。ここ3試合確かにストライク先行の投球が出来ており、スライダーという軸になるボールも見えてきているのだが、突然球威が落ちてしまったり、コントロールを乱してしまったりする場面が見られるため、使い辛い状況にあるのは間違いない。また今日のように早いイニングでマウンドを降りてしまうとリリーフ陣に掛かる負担も大きくなってしまう。中10日ほどの間隔で先発し、この程度の出来であるならば「完全復活」という言葉は使い辛い。それでもここ3試合序盤を上手く切り抜けているという部分については、これまでと違ったところを見せてくれている。少しずつではあるが、階段を上っているのだと信じたい。

今日の勝利の立役者はリリーフ陣であるため、1人ずつ簡潔にコメントしていきたいと思う。
風張
・3-5と由規が逆転を許し、尚も2アウト1,3塁で打席には絶好調のソトという厳しい場面での登板となったのだが、この場面をよく抑えてくれた。そして次のイニングもDeNAの中軸をしっかり抑え、試合を落ち着けてみせた。いい仕事をしてくれた。
秋吉
・ここの所打ち込まれ、起用法が変わってきそうなのだが、今日は1回2/3を変化球中心の投球で切り抜けてみせた。起用法が変わる事で投球スタイルも変わる時期に差し掛かっているのかもしれない。
中尾
・昨日に続いてピンチでの筒香との勝負となったが、今日は四球を与えてしまった。それでも続くロペスをしっかり打ち取り、勝ち越し点を許さなかったのだから自分の役割はしっかり果たしたといえる。今シーズンはいい仕事をしてくれている。
近藤
・昨シーズンも今シーズンも様々な場面で投げ続けてくれている。ここまで怪我に悩まされたプロ野球人生を送っている事もあってか近藤自身何か吹っ切れたように腕を振ってボールを投げ込んでいるように感じる。酷使されようが投げる喜びを感じる事が出来るのが近藤のピッチングである。疲れが溜まり始めたらおそらく通用しなくなってしまう可能性が高いのだが、とにかく今出来ることに全力で取り組む姿勢はプロ野球選手としてのお手本となる。
石山
・現時点でヤクルトリリーフ陣のリーダーであることに異論はない。こういう競り合いで勝利を拾うには石山の力が絶対に必要である。それだけにクローザーとして起用されている割には登板機会が多くなり、回跨ぎも多いのだが、他球団に比べて戦力の劣るヤクルトは捨てゲームが作りづらいため、どうしての石山の負担は増えてしまう。近藤同様疲れが溜まるまで気持ちで勝負してもらうしかないのが現実だろうか?今のところキレの良いボールを投げ込んでくれている。
松岡
・もう140キロ後半を記録した全盛期のストレートは戻ってこない。それでもフォークの使い方次第でもう一花咲かせる可能性もあるだろうか?一人一人の打者を打ち取るために捕手の中村と試行錯誤している様子が伺える。見ていてハラハラする投球内容ではあるのだが、今日のゲームでは2イニングをしっかり0で抑えてみせた。そして白星も転がり込んできた。ヤクルトブルペン陣の中で経験値という意味では一番の投手である。これからもブルペン陣を支える存在になってもらいたい。

冒頭にも書いた通り、リリーフ陣の駒不足は深刻である。それだけに開幕直後から「明日なき戦い」のような継投を強いられている。どこまで持つか分からないのだが、見守っていくしかないと感じている。

打線は初回に3点を奪えた事が収穫だったと言える。私は今シーズンのビジターゲームのポイントとして「初回の攻撃」に注目している。開幕直後から山田哲を1番に据えていたのだが、初回にどうしても先制点を奪いたいと言う事を考えると1番山田哲は「あり」だと以前にも書かせてもらった記憶がある。今日のゲームでは今シーズン初登板となったDeNA先発濱口の初球を山田哲が完璧に捉えて2ベースとすると、青木と坂口にタイムリーが飛び出し、一気に3点を奪う事に成功した。山田哲、バレンティンの存在が相手にプレッシャーを掛けていることは間違いないため、塁上にランナーを溜める場面は増えるはずである。今日はそこで青木、坂口が良い仕事をしてくれた。坂口に関しては、昨日の記事でバレンティンの後の5番だと迫力に欠けるということも書いたのだが、初回の2点タイムリー2ベースはバットとボールが一瞬くっついたのではないか?と錯覚させるような見事なバッティングだった。今シーズンの坂口は抜群のミート力を発揮してくれている。5回の送りバント含めて本当に良い仕事をしてくれた。
その5回に関しては、坂口がしっかり送って1アウト2,3塁という場面を作ったのだが、大引がよくタイムリーを放ってくれた。これはベテランならではの渋いバッティングだったと思う。正直今日の大引は濱口のボールに全くタイミングが合っていないように感じていたため、追い込まれた時点で相当厳しくなったかな?と思ったのだが、ファールで粘りながらタイミングを合わせて、最後は高めのボール球をライト前におっつけてみせた。若手打者では中々出来ない打席での修正だったと思う。

決勝点の場面は相手のミスで満塁のチャンスを作り、最後は青木が押し出し四球を選んでみせたのだが、最後の砂田のボールも非常に微妙なボールであり、運も味方したかな?という場面となった。それよりも本来ヤクルトが勝つには、その後の1アウト満塁のチャンスで上田、田代が仕事をしなければならなかった。昨日の雄平のようなダメ押し点を奪えないと今のリリーフ陣では相当厳しい。結果的に勝てたから良かったもののこういったチャンスで点を奪えないと今シーズンのヤクルトは苦しくなってしまう。

それでも勝てたのだから良しとしたい。明日はいよいよ小川が戻ってくる。イースタンでの登板内容を追っていると本調子ではないように感じるが、どこまで試合をまとめる事ができるだろうか?

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コメント

  1. k より:

    由規は急に崩れたので判断が難しいですね。ビジターは苦手なのか、もしかしたら肩が疲労してるのかもしれませんね(抹消かも)
    この試合に限っては中継ぎ陣の踏ん張りでしたが、おっしゃる通りDeNAに比べたら見劣りしますよね(明日も中継ぎ陣がカギを握りますが誰が出ても毎回ヒヤヒヤものですよね)
    それとチャンスで大引や上田が凡退なんですよね、この辺も寂しい結果ですよね(大引のゴロで本塁への田代のスライディングが上手くなかったのは代走としては気になりますね)。守備で出てるとは思いますが犠牲フライくらい打ってもらわないと・・・・6番にサード大引はキツいですね坂口との勝負を避けられますし守備エラーもありましたしね(6番サード川端も厳しい)、サードなら藤井や谷内や宮本を見たいですし6番なら畠山が適任なのかもしれませんね(そしたらライトに坂口で雄平はベンチの方が打線としては繋りそうですね)。
    次はライアン小川ですが手術明けですから5回100球3失点なら合格点かなと、それと三連敗阻止で相手は積極的に来るので真向勝負ではなく相手の力みを利用して変化球と二段モーション解禁されたのでタイミング外しながら考えたピッチングしてもらいたいですね(小川は二段モーションに戻したのか確認したいですね)
    小川が計算できたら石川も落としてるのでローテを再編して火曜日のハフは止めて中継ぎか週末に変更して欲しいですね。

  2. より:

    今日の勝ちは運が良かったですね。
    相手がくれた点でした。
    終盤、坂口に代走を出した時は負けたかと思いました。
    というのも坂口はなぜか前から横浜に相性が良く、友人の横浜ファンも
    1番で坂口がいると必ず出塁される!と恐れてました。
    そして今年も対横浜の打率.462で打ちまくってます。
    下げた方が勝てる確率下がりませんか?
    データ厨(笑)なので、こういう采配は気になります。

    しかしまあ選手は頑張ってますが、去年の同じ時期と勝率変わってませんよね。
    今年は育成年と期待してたのに25歳以下でまともに出てるのは廣岡くらい。
    上位チームの方が多く若手を使ってます。
    二軍でも30オーバーの選手が多くスタメンに名を連ねており
    チームの方向性にも疑問を感じます。
    今の勝利よりも、3年後に上位争いするために今
    若手にもっと経験を積ませて欲しいです。

  3. JEF九郎 より:

    おっしゃる通り、中継陣頑張ってくれました。
    昨日のブキャナンといい、やはり投手が頑張ってくれると結果に繋がりますね。私がいつも酷評している中村も攻守に良い仕事をしてくれたと思います。


    中継陣の中では、中尾が素晴らしいですね。育成に手こずっている中で、2年目でここまでの活躍は嬉しい限りです。もう少し登板機会を絞ってあげたいですが、今年はそれも叶わないと思うので、怪我せずになんとか1年を乗り切って欲しいところです。

  4. FIYS より:

    > kさんへ

    オーダーに関しては、今いるメンバーで何とかするしかありませんからね…厳しいですが、やり繰りしていくしかないですよね。

  5. FIYS より:

    > hさんへ

    野球というスポーツを見る場合、データは大切になってきますよね。坂口はDeNA戦に強いのですね?

    チームバランスに関しては、ドラフトで即戦力を見込んで獲得した投手が全く戦力にならないことが多く、ここ数年ドラフトが後手後手に回ってしまう事が影響しているでしょうね。

  6. FIYS より:

    > JEF九郎さんへ

    このゲームに関しては、リリーフ陣が本当に良く頑張ってくれましたよね。中尾も昨シーズンから大きく成長してくれていますよね。

  7. sabo より:

    松岡の力投には泣かされました。なんだかんだ気づけば投げてるマツケン山哲ですね
    もはや経験というより気力で抑えた感じですけど、まだまだ松岡の力が必要と感じました(勝ちパターンは任せたくないけど

    今の先発事情だとリリーフの負担は減らないというより「終わらない」って感じです。リリーフの戦力はもちろんですがとにかく先発をそろえないとですね。

  8. FIYS より:

    > saboさんへ

    松岡は相手を圧倒するような投球は難しいですが、少しでもブルペン陣を支えてもらいたいですよね。ナイスピッチングでした。

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