山田哲の存在感

ヤクルト2-1巨人(延長11回)

終盤に山田哲がバットと足で勝利に貢献してみせた。スーパースターらしい見事な仕事ぶりだった。前回の対戦時に抑えられたメルセデスはやはりいいピッチャーであり、今日に関しては負けても仕方なかったゲームだと思うのだが、9回に追いつき、11回に勝ちこしてみせた。オールスター前の巨人戦3連敗を取り返す、同一カード3連勝での6連勝となった。

巨人先発のメルセデスは前回の対戦時にも感じたのだが、しなやかなフォームで球持ちがよく、球速表示以上に球に威力を感じるタイプの投手である。コントロールも良く、本人がシンカーと言っているチェンジアップ気味のボールも厄介である。今日は8イニングを投げきられてしまい、無得点に抑えられてしまった。ヒットもわずか3本という事でメルセデスには完敗となってしまった。今後ヤクルトだけでなく、各球団が対策に乗り出すはずである。それでもフィジカル面での課題がそんなにないのであれば、今後も活躍が続くのではないか?と感じさせる投手である。
このまま完封負けを喫してしまうのかな?と感じていた9回に山田哲が大仕事をしてくれた。9回からマウンドに上がったマシソンからヒットを放ち、1アウト1塁という状況を作ると、バレンティンへの初球にすかさず盗塁を成功させ、2塁へ進むとバレンティンのショートゴロの間に3塁まで進塁する事に成功する。ここで雄平が詰まりながらもセンター前に落とし、土壇場で同点に追いついてみせた。山田哲の打席での粘りとランナーとしての一流の走力と判断力で同点のお膳立てをしてくれた。
そして11回には、上原から決勝点となる勝ち越しタイムリーを放ち、試合を決めてみせた。打者としても走者としても相手にプレッシャーを掛け続けられる稀有な存在である。青木2ベース後の11回のタイムリーも見事だったのだが、今日は9回のマシソンからのヒットと初球に盗塁を仕掛けて成功した場面が印象に残った。「山田哲で勝った試合」と言っても過言ではないのではないだろうか?

山田哲の活躍によって多少影が薄くなってしまったのだが、今日に関しては投手陣の奮闘も目立っていた。原は今日も勝ち星はお預けとなってしまったのだが、威力のあるシュートを軸にした投球は十分巨人打線に通用していた。初回に苦手の亀井に先制点となるタイムリーを許したのは反省材料ではあるのだが、7回を被安打4与四死球2の1失点と言う事で試合は作ってくれた。先発に再転向してからしっかり役割を果たしてくれている。後は1つでも勝ち星が付けば勢いが出るはずである。
リリーフ陣も風張ー近藤ー大下ー中澤ー星ー石山とこまめに繋いで、巨人打線に得点を許さなかった。昨日の影のヒーロー風張、中澤は今日も仕事を果たしてくれた。特に中澤はこの3連戦左キラーの役割を完璧にこなしてくれた。今日も延長10回1アウト1,2塁のピンチでマウンドに上がると代打の阿部をレフトフライに打ち取ってみせた。インコースのシュートとアウトコースのスライダーのコンビネーションで難敵阿部を打ち取りサヨナラのピンチを1つ凌いでくれた。亀井にしても阿部にしても大学の先輩であるのだが、この3連戦ではいい恩返しが出来たのではないだろうか?腕を下げ、極端なインステップを取り入れ、左殺しとして生きる道を選択した中澤の存在感がここに来て増してきている。10回は結果的には大下、中澤、星で1人1殺という形になったのだが、こういった起用法が出来たのも原が7回まで投げ切ってくれたからである。各投手が役割を果たした中での逆転勝ちということで、チームの結束力を高めるような勝利になったのではないだろうか?

P.S 流石に上原は年齢的な衰えが見られますね。今でも抜群のコントロールがあり、投手として非常に高い総合力を持っていると感じるのですが、ボールの勢い自体がなくなっていますね。日本でもメジャーでも一流の数字を残した上原はやはり素晴らしい投手ですが、今はそれ程怖さは感じないのではないでしょうか?

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コメント

  1. k より:

    この試合は勝つのは厳しいかなと思っていましたが粘り強い戦いでしたね、連勝中なので投打のバランスもいいし巨人の不調にも助けられた三タテでしたね。
    メルセデスはランナー出してセットでも問題ないですし右も左も苦手はないですし、フィールディングも悪くはないので、どこも手こずるので現状は攻略の糸口が見つからないですかね。
    あと山田は追い込まれたりランナーいる場面ではチーム打撃で逆方向の意識があって良いですね、これはチーム全体にも言えるので繋ぐ意識とチームバッティングが出来てれば得点が取れないことはないでしょうね(暑い時期に盗塁も出来て体も動けてるので打率だけクリアできればトリプルスリーですね)
    それと原はピッチングスタイルが少し変わったなと感じますね、シュートに頼るのが減って外のスライダーと真っ直ぐで組みたてるようになりましたかね(カーブも使うになりましたね)勝ててませんが先発が足りないのでゲームを作れるのは大きいので原が4番手の先発て機能すればAクラスも見えてきますね。
    次は阪神ですが前回神宮で滅多打ちにあってるので投手陣の頑張りが全てですね、五点以内に抑えれば勝てる確率あがりますね(先発が1枚足りないので台風で流れると数が足りるのですが)
    最後に上原は真っ直ぐのスピードが足りないですねスプリットも高めにいくのが多く半速球になって打ち頃になってますね。
    やっぱりメジャーのマウンドとの違いでフォームも日本時代と変わったのが影響してますかね(見てると年齢的にも今年で引退する覚悟で一球入魂で投げてるのかなと感じますね)

  2. sabo より:

    いつだったか山田が5部門トップだった時があったと思うんですけどあの時みたいな絶好調期が来ましたね!抑えられない止まらないって感じで攻守走でスーパースターといえるプレーを魅せてくれます

    中澤と風張がかなり良い働きしてくれてますね
    風張は前半戦から奪三振数は良かったはずなのですがちょっと不安定なとこがあったものの後半戦に入ってからは制球が良くなって伸びのある速球とキレのある変化球のコンビネーションが活きてるように感じます。年齢もまだ若いし楽しみです
    中澤はまさかにフォーム改造がハマるとは!ストレートも球速以上に早く感じます。ほんとどうした?(笑)これまでも「何故か抑える」時期がたまにありましたけど今度こそ左キラーとしてポジションを確定してくれるでしょうか

    一方、大下がファーム行きとなったらしく少し心配というか鍛え直しでしょうか?

  3. FIYS より:

    > kさんへ

    原に負けが付かなくて良かったですよね。好投しても報われない投球も多く、このゲームでも負けが付いていたら原の精神的なダメージが心配されましたからね。次に繋がる好投だったと思います。

  4. FIYS より:

    > saboさんへ

    風張と中澤はいいタイミングで調子を上げてきてくれましたよね。近藤、中尾の負担を少しでも減らせるといいですよね。

    大下に関してはオープン戦時よりもボールに威力が出ていると感じているため、リリーフ陣が苦しくなった後のタイミングでもう一度戻ってきてもらいたい。ボール自体は通用するはずである。

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