小川監督、宮本HCの退任発表

プロ野球・ヤクルトは10日、小川淳司監督(62)と宮本慎也ヘッドコーチ(48)の辞任を根岸孝成オーナーが了承したと発表した。小川監督と宮本ヘッドコーチはチームが最下位に低迷していることを受け、球団に辞意を伝えていた。
(毎日新聞引用)

過去記事はこちらから→「小川監督辞意表明」、「真中監督今シーズン限りで退任」、「小川新監督就任

2014年シーズン~2019年シーズンはヤクルトにとって浮き沈みの激しい6年間となった。過去記事を見てもらえれば分かるのだが、激動の6年間と言っても過言ではないのかもしれない。また小川監督にとっては、その前の2010年シーズンに監督代行を努めてから10シーズンで人生が変わったと言える程の激動の時代に身を置いた期間だったのではないだろうか?
2017年シーズンにシーズン96敗という屈辱を味わい、真中監督が退任すると共に新監督に就任したのだが、当時SDを努めていた小川監督だった。当時ことを思うと「火中の栗を拾う」ような役目を努められるのが小川監督しか居なかったというような状況だった。宮本慎也氏をHCに就任させ、チームの立て直しを図り、2018年シーズンは大きく躍進し、2位でフィニッシュし、CSまで駒を進めることに成功した。ここまでのV字回復は想像すらしていなかったため驚いたものである。しかし2018年シーズンのV字回復に関しては、ベテラン勢が軒並み数字を残したことによって達成されたものであり、今シーズンも同様な結果が出るとは思えなかったのは確かである。しかしその中で小川監督がどのようなチーム作りを行ない、優勝に向けて手綱を取るのか注目している部分もあった。しかし今シーズンは開幕直後から怪我人が続出し、先発陣も振るわない中で苦しい戦いが続いてしまった。また6月には16連敗と言う超大型連敗も記録してしまい、小川監督の采配にもブレが生じてしまったことは事実である。目先の1勝を目指すあまりにリリーフ陣を酷使してしまい、それでも勝ち切れないゲームが続く中で、どのようなゲームマネジメントで戦えば良いのか?という部分が監督自身も他の首脳陣も見えなくなってしまったのではないだろうか?
こうなってしまうと首脳陣と選手が同じ方向を向いて戦う事が難しくなってしまい、チームは下位に沈み続けてしまい、浮上のきっかけすら掴む事が出来なかった。


確かに今シーズンは優勝を目標に勝負を賭けるシーズンだったため、現在の成績は非常に残念なものではあるのだが、村上をはじめとする若手の抜擢は進んだ部分もあるため、最も懸念していた小川監督が退任するときに「野手陣が焼け野原状態」になっているということは避ける事が出来たように思う。
高卒2年目で30本塁打&90打点をクリアした村上の存在は非常に心強いし、スケールの大きな打撃を見せてくれる廣岡、守備面で成長を感じさせてくれた奥村、日本ハムからのトレードで加入しいきなり戦力となった太田、中村の背中を追う松本直、ルーキーながら長所である打撃で多少なりともアピールした中山、2軍ではやることがない塩見など来シーズン以降に向けて世代交代が進み始めている部分もある。
2017年シーズンに真中監督が退任し、小川監督が就任した時に比べればまだチームとしての光は感じられる状態であると感じる。個人的には新監督には、今シーズンの若手抜擢の流れを途切れさせない監督に担ってもらいたい気持ちが強い。最下位に沈んだからと言ってチームを一度解体してチームを作りなおすと言う状況ではないと思っている。

本来であれば小川監督後の監督候補の一番手は宮本HCだったと思うのだが、結局宮本HCも成績不振の責任を取る形で小川監督と一緒に退任となってしまった。宮本HCは現役時代から本当に「野球というスポーツを熟知している選手」という印象があり、HCとしてチーム作りを学んでから監督に就任する流れが最も良いのではないか?と考えていたのだが、そう上手く行くものではない事を改めて感じることとなった。かにこの成績で小川監督が責任を取るとなればHCだけチームに残って監督に昇格というわけにもいかないことは理解出来る。個人的には宮本監督の野球も見てみたかったのだが、おそらく宮本HCの野球観と現在のヤクルトの置かれているチーム状況にはある程度のギャップが存在していると思われる。そんなチームのマネジメントを監督して行っていくことは難しいと考えた可能性もある。ここは一旦チームを離れてもう一度外部から野球を見つめなおしてもらいたい。いつかは監督を担うだけの人材であることは間違いないはずである。

新監督の話題や噂も出始めているのだが、その辺りは正式発表を待って記事にしていきたいと思う。

小川監督も宮本HCも2017年シーズンの惨状からよく監督業、コーチ業を引き受け、チームを支えてくれたと思う。残りのゲームを来シーズンに繋がるゲームにする事が最後の役割となりそうである。

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コメント

  1. 超匿名 より:

     小川監督の退任は契約年数からすれば想定内でした。しかし宮本ヘッドの退団は驚きでした。次期監督と共にヘッドコーチが誰になるのかも注目ですね。
     今年の低迷は監督の責任だけではなく、他球団が活発に動く中何も手を打てなかった球団にもあるはずですが、球団社長以下どのように捉えているのか気になりますね。

  2. k より:

    2011年に現球団社長が就任してから小川監督が6年、真中監督が3年、また二軍監督含めたら10年以上今のヤクルトはこの二人で作り上げたと言っても過言じゃないですね。
    その結果は優勝もあればプロ球団としてはあり得ない最多負数や連続最下位、黄金期ヤクルトの緻密で野球巧者のチームではなくなり自主性に任せた大雑把な野球になってしまったので、これを変えるのは宮本ヘッドなのかなと思っていたので宮本慎也の退団は残念で仕方なく個人的には悔しい思いがありますね。
    マスコミのニュース等でいろいろ書かれてますが、野球を熟知していてプロとしての心構えや野球観は今のヤクルトの若い世代に伝えるのは古田敦也がいなくなったあとは彼しかいないと思っていたので、二軍監督への配置転換もないのはヤクルトが変わることは、もうないと感じましたね。
    このままの現フロント体制では何も変わらない事を認識しましたし、ドラフト上位に他があまりマークしてない独自指名や社会人投手の大量指名失敗しかりスカウトにも問題ありですし、現場で教えられる優秀な人材がヤクルトからどんどん離れていくのは相手が嫌がる強いチームにはならないし勝てなくなればファン離れにも繋がるのではないかなと感じますね(ないとは思いますが投手コーチとバッテリーコーチが残留なら呆れますけどね)

  3. JEF九郎 より:

    宮本ヘッドが居ればこその小川第二政権と思ってたのですが、フロントの意向は違ったのかもしれませんね。だから慰留もなく、すんなりの宮本ヘッドの辞任に繋がった気がします。そうなるとこの二年はなんだったのですかね。
    社長以下、フロントの責任はどうなるのかなぁ。

  4. FIYS より:

    > 超匿名さんへ

    私は何となく宮本HCも責任を取る形で退任するのでは…と予感していました。難しいものですね。 

  5. FIYS より:

    > kさんへ

    野球巧者だったヤクルトの姿は完全になくなりましたね。1回こうなってしまうと元に戻すのは難しいですね。野村監督の偉大さを改めて感じる今日この頃です。

  6. FIYS より:

    > タラちゃんさんへ

    そうですね。宮本HCの退任は残念ですね。宮本HCの野球観とチームの現状があまりにもかけ離れてしまっているという部分もあったのではないでしょうか?

  7. ネコ サカナ」 より:

    もともと投手の駒が揃っていないチームを引き受けたので成績は仕方ないと思う。しかし、いつも小川監督のもとで化けた選手たちがその後のチームの飛躍の財産になっているような気がする。成績にこだわる極端な用兵で退任後に草木も残さない落合監督を見ていると、小川監督は将来を見据えた選手起用ができるいい監督ではないかな。勝負師でなくてもいいのです。野球は夢を売る商売なんですから。

  8. FIYS より:

    > ネコ サカナさんへ

    嬉しいコメントありがとうございます。2014年次はヤクルトを新たな方向へ舵を切り、今回も火中の栗を拾う役割を果たしながら上手く若手の抜擢も進めたと感じています。
    (私は落合監督も非常に高く評価しています。)

  9. タラちゃん より:

    昨年の2位をどうとらえるかでしょうね。
    そして2015の優勝の要因は何かと考えるとって思うと答えでそうな気がします。

    結局、
    ベテラン勢や投手陣のケガ人でない年は上位に来る。
    ただし、選手層が薄いのでカバーできない。
    そんな繰り返しかと。

    昨年と2015の共通点は、
    投手力。特にリリーフ陣がしっかりと方程式できたこと。
    打者天国の神宮をホームにしている中でそれなりに先発が踏ん張ったこと。

    ただ、2015にあって昨年になかったの、
    それは守備力。
    2015は大引補強し、ゲッツーが格段に増えた。
    ココいないので守備力アップ。
    打線は川端、山田、畠山だけだったが、すごく機能した。ってことでしょう。

    となると、
    リリーフの充実と、守備力アップは欠かせない事項。

    ここに山田哲人とバレンティンのFA絡んでくる。
    守備力アップの為、
    まず肩がボロボロの青木を打撃戦念でレフトは必須。
    これを前提にチームをつくる。
    となると、バレンティンをどうするのか?
    個人的にはファーストコンバートもしくは退団致し方ないかと。

    で、
    哲人。
    今オフに5年30億(ポスティング移籍はアリ)とかの大型契約を提示するでしょう。
    が、単年にこだわると予想。
    そうしたら、
    読売へのFA移籍が濃厚になるので、
    ホークスかバファローズにトレード出したらと思う。
    読売にFAで行かれるのであれば、だったらトレードで対戦しないようなそういうフロントの発想あっても良いと思う。
    個人的にはホークスの大竹や石川+若手投手1枚、牧原と山田哲人とスワローズ野手1人つけてとかはアリかと思う。

    結局、
    チームとして作り直しになると思う。

    野手は
    外人1塁、2塁太田、3塁村上、ショート西浦か奥村。
    レフト青木、センター外人か廣岡、ライト濱田か中山。
    こんな感じの青写真で3年後に優勝争い目指すのがベターかと。

    指くわえて、何もせずに簡単に同一リーグへのFA移籍は阻止する動きをフロントはしてほしい。

  10. FIYS より:

    > タラちゃんさんへ

    私はヤクルトスワローズのファンなので山田哲をトレードという考え方も大胆だけど面白い発想だなと感じます。しかし山田哲はヤクルトの至宝であることに変わりはないので、どのチームに行くにしても1年でも長くヤクルトでプレーしてもらいたい気持ちが強いです。

    ちなみに私は大引獲得には反対派だったのですが、当時のヤクルトのショートに比べて守備が素人目に見ても安定していたので、FAで獲得したこと自体は成功だったと感じています。いい遊撃手でしたよね。

  11. sabo より:

    推測ですが宮本は近いうちに二軍のチーフコーチとして招聘するのでは?なんて思ってます
    池山を二軍監督に呼び戻したのも関係あるんじゃないかと。

  12. FIYS より:

    > saboさんへ

    こればっかりは何とも言えませんね。

    宮本氏の退任は宮本氏らしい責任の取り方かな。と感じました。

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