被安打12の1失点

ヤクルト5-1広島

スコアだけ見ると快勝のようなゲームを想像するのだが、その実最後まで気が抜けないゲームとなった。リリーフ陣が苦しくなっていることもあり、こういったゲームが増えているのだが、ピンチの連続を何とか持ちこたえている印象もある。優勝争いのプレッシャーの中でアドレナリンがいいように作用している部分もあるのかもしれない。

先発の原は、前回の登板時には序盤のリードを活かすことが出来ず、3回持たずにマウンドを下りてしまったのだが、今日は序盤のリードをしっかり活かして、6回1失点で試合を作ってみせた。6回1失点とは言え、被安打8、与四死球2という数字が示すように毎回ランナーを許す苦しい投球となったのだが、それでも何とか1失点で凌いでみせた。決して褒められるような数字ではないし、セイバー系の数字が一般的になってきた中で、「運」の要素も絡んだ中で1失点という言い方も出来るのかもしれないが、こういった投球が出来るのも原ならではである。前回の登板では、序盤のリードがあり、ボールもそこまで調子が悪いようには思えない中で四球を与えてしまい、自分で自分の首を絞めてしまった。この部分に失望してしまったのだが、今日は打たれながらもしっかりゴロボールピッチャーらしく、粘り強く丁寧に投げることが出来ていたと感じる。リアルタイムで観戦していた訳ではないので、分からない部分はあるのだが、前回の反省を活かす投球にはなっていたのではないだろうか?

リリーフ陣はやはり厳しくなってきている。まだ10連戦の3戦目ではあるのだが、今野も清水も本調子ではないと見ている。特に今野は生命線であるストレートのキレが幾分落ちてきているように感じる。最後の鈴木誠を三振に斬って取ったボールなどはフォークが抜け気味になり想定外の軌道を描くラッキーな形での三振だったように感じた。結果オーライではあるのだが、本来であれば短期間でも休ませてリフレッシュさせたいくらいの状況にあると感じる。そうなると他の投手に期待したいのだが、その一番手である石山の調子も上がってこない。今日は4点差があったため9回のマウンドを任されたのだが、安定感に欠け、マクガフが準備せざるを得ない状況となってしまった。球威は戻ってきているように感じるのだが、打者には反応されてしまっており、球速表示の割にはボールが来ていないのかもしれない。実績があり、経験豊富な石山に復調してもらいたいのだが、中々思うようにはいかないものである。ここの所終盤はピンチの連続である。今日は被安打12で1失点。胃の痛くなるようなゲームが続きそうである。

打線は前回抑え込まれてしまった高橋昂相手に初回に先制点を奪うことに成功した。塩見が四球で出塁すると続く青木がライトスタンドに飛び込む2ランホームランを放つと、1アウト後、今度は村上が飛距離十分のホームランを放ち、高橋昂の立ち上がりに3点を奪うことに成功した。塩見、青木での先制パンチも見事だったし、村上の通算100号となるホームランも完璧な一発となった。
青木は難しいシーズンを過ごしている印象であり、直近のゲームでも中々結果が出ていなかったのだが、今日の2ランホームランを復調のきっかけにしてもらいたい。
村上については最年少での100号ホームランということである。同じ広島の岡田から放った第1号ホームランを見た時からとんでもないスラッガーが表れたと感じていたのだが、ここまでトントン拍子にホームランを重ねられるとは思わなかった。今やこの村上が世代のトップランナーなのだが、プロに入る当初は「清宮世代」と呼ばれた世代である。清宮に関してはリトルリーグ時代から注目を浴びていた選手であり、高校時代は特にスポットライトが当たっていた。村上も1年次に甲子園の土を踏んだこともあり、「東の清宮、西の村上」と呼ばれたこともあったと記憶しているのだが、1年の夏以降は甲子園に手が届かなかったこともあり、いつの間にか「東の清宮、西の安田」と清宮と比べられる選手が履正社高校の安田へと変わっていた。清宮、安田、村上ともにドラフト1位でプロの世界に飛び込み、非常に面白い出世争いが期待されたのだが、ここまで村上の数字が群を抜いている。しかし清宮、安田にもまだまだ巻き返すチャンスはあると思う。清宮も安田も高卒4年目としては、悪くない数字は残している(清宮は期待値からすると数字が残っていないという言い方も出来ますが…)。何を言いたいかというとそれ程までに村上の数字は破格の数字であるということである。村上はすでにNPBを代表するスラッガーである。誘い球に手を出さない選球眼の良い選手だけに相手チームは数字以上に怖さを感じているはずである。初めの優勝争いの中でも「村上ならやってくれる。」という安心感がある。末恐ろしい21歳、否すでに恐ろしい21歳である。

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コメント

  1. sabo より:

    村上奥川とほぼ同年代の怪物を揃えられたことにも運命を感じますね。2.3年後には黄金期が来てもおかしくないような

    原はストレートはそこまで走ってなかったし好調では無かったですが色んな球種を使えて球を散らせたと思います
    四球も1つだし、中村のリードもあって駆け引きが上手くいったかな

    実は西浦が最近5試合で打率.437の絶好調なんですよね
    巨人戦の満塁ゲッツーが印象悪いですが、西浦出塁から塩見に繋がるのは大きいですね

  2. FIYS より:

    saboさんへ

    村上、奥川はヤクルトの光そのものですよね。

    西浦が結果を出し始めたことはチームにとって大きいですよね。

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