負けない奥川、負けないヤクルト

ヤクルト4-1阪神

巨人戦にしろ阪神戦にしろカード初戦が最も大事なゲームになると感じていたのだが、阪神相手にもその初戦でしっかり勝利してみせた。これで7連勝である。引き分けを挟んでの9連勝の後にDeNA相手に2連敗を喫し、決して楽な状況ではないことを実感したのだが、そこからの7連勝は見事である。天王山と見られていた、巨人、阪神との6連戦もこれで4連勝とし、勝ち越しを決めた。この大事なゲームで先発を任された奥川がいつも通りの投球で試合を作り、勝利に貢献してみせた。7回表など山場もあったのだが、終わってみれば「強さ」を感じるゲームになったのではないだろうか?

奥川に関しては特に言うことがない。2位阪神との直接対決の初戦という痺れるようなシチュエーションのゲームで先発を任されたのだが、立ち上がりから浮ついたところが一切見られなかった。いつも通りの奥川だった。常にいつも通り、コンスタントに投球できるのが奥川の強みである。先日石川が登板したゲームで「石川に関しては、好調とか不調で語るべき投手ではない。」ということを書いたのだが、奥川も全く同じである。好調とか不調というレベルではなく、いつ見ても「奥川の投球」を実行してくれるイメージがある。その時々の状態に合わせて微調整しながら相手打線を抑えていく様は、高卒2年目の投手の姿とは思えない。今日も常にストライク先行の投球であり、阪神打線も奥川のペースに巻き込まれざるを得なかったのではないだろうか?いつでも主導権を握りながら投げられるのが奥川の強みである。本当に頼りになる投手である。
そんな奥川が、7回に2本のヒットを浴び、2アウト1,3塁というピンチを招くと島田に54回1/3ぶりの四球を与えてしまい、ピンチを広げると阪神ベンチは梅野に代えて代打糸井を起用し、勝負に出た。ヤクルトベンチもここは奥川を諦め、田口を投入した。2アウト満塁という非常にプレッシャーの掛かる場面だったのだが、田口はアドレナリン全開の投球を披露し、低めの変化球で糸井を三振に斬って取ってみせた。個人的には田口は先発タイプだと思っているのだが、優勝争い真っ只中のプレッシャーが掛かる場面でもこれだけ気迫を全面に押し出して腕を振る姿は、リリーフ投手としても適性の高さがあることを示してくれた。
8回、9回はどうするのかな?と思ったのだが、高津監督は迷わずに清水、マクガフを4連投となるマウンドに向かわせた。この辺りの起用法はこれまでの高津監督にはなかった起用法である。第一の山場だと感じた10連戦でも今野、清水、マクガフの負担の軽減ということを意識しているように感じたし、先週はもう一つの勝ちパターンを作り、優勝までリリーフもローテーション的に起用することも模索しているように感じたのだが、高津監督の真意は「今回の6連戦は無理をしてもらってでも勝ち切る。」というものであった。リーグ優勝を勝ち取る難しさを知っているからこその隙を見せない起用法である。そして今日も高津監督の期待に清水、マクガフが応えてみせた。間違いなく疲れはあるはずなのだが、チームの勢いが疲れをも超越する力を授けているように感じる。

打線は阪神先発の好調高橋をどのように崩すか注目していたのだが、初回は村上のタイムリー2ベース、2回は西浦のレフトポール直撃のソロホームラン、5回は塩見の2点タイムリーと正攻法で得点を重ねてみせた。正直打線の状態はそこまで良いとは感じないのだが、打てない選手がいても他の選手がカバーし、上手いこと得点に繋げている印象である。山田のスイングに元気がなくなってきていることが気掛かりではあるのだが、今日のゲームであれば村上、西浦が結果を残すなど、試合の中で誰かが結果を出してくれている。これが今のチーム状態の良さを表している。
今日の勝利でマジック11が点灯した。だからと言って気が抜けないのだが、こうなったら優勝に向かってこのまま突っ走ってもらいたい。

P.S リリーフに配置転換されて以降、田口の明るさに磨きがかかっていますね。私がまだ小学生だった頃のヤクルトは明るい選手が多く、野球以外でも目立っている選手が多かった印象が残っています。内藤、池山、広沢、古田、高津、石井一辺りはしゃべりも達者で見ていて面白かった記憶が残っています。田口を見ているとその頃のヤクルトの明るさを少し思い出すことが出来ます。
その一方で気になっているのが田口とのトレードで巨人に移籍した廣岡です。廣岡は非常に生真面目な選手という印象があります。ポテンシャルの高さは間違いないものを持っているのですが、巨人移籍後もその力を発揮しきれていませんよね。あれこれ考えずにバットを振ってもらいたい選手ですよね。

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コメント

  1. 超匿名 より:

     奥川はゲームを壊さず、勝てる投手になっていることがファンにも浸透しつつあると思いますが、来季以降に中六日でローテに組み込まれた場合に、今の様な成績を残せるのかが注目ですね。
     この試合でピンチを救った田口については、連続優勝から真逆の成績のチームへの移籍ということで、入団当時はモチベーション面でどうなのかなと思ったものですが、試合後のパフォーマンスを見ても、完全にヤクルト色に染まっているようで安心しています。
     廣岡は選手層の厚い球団にて、出場機会が限られているのでしょう。それでも現状の成績は寂しく、このまま燻り続けることになるとしたら惜しいですね。

  2. sabo より:

    初戦ですからね。勝ちパターンは当然でしょう。ただこれは仕方ないことですが今野にも肩を作らせてしまったのでそこも計算に入れないといけません

    ある程度点差があればスアレスとかもっと7回とか投げさせても良いと思いますけど、どうするか。

    田口は良いキャラで半分広報みたいな仕事もしてますね(笑)
    リリーフにそういったキャラクターの選手がいるのは良いですねよ
    元々は石山がリリーフのリーダーでしたが今年は自分のことに集中したいでしょうし

  3. FIYS より:

    超匿名さんへ

    中10日のローテでもシーズン通して投げてくれると大きいですよね。来シーズンは中6日で回ることもあり得ますかね?

  4. FIYS より:

    saboさんへ

    田口の明るいキャラはある意味では「ヤクルトらしさ」を感じさせてくれますよね。先発でもリリーフでもある程度仕事をする姿は頼りになります。

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