リリーフ陣が予想外の奮闘

ヤクルト3-3ソフトバンク(延長12回)

采配面で「どうかな?」と思う場面もあったが、この試合展開で引き分けなら十分だろう。おそらく同点に追いついてから今日と同じシュチュエーションのゲームをソフトバンクと10回行ったら8回くらいは負けてしまうのではないだろうか?粘りに粘ったリリーフ陣に拍手を送りたい。

ここの所好調だった先発の八木は今日に関してはコントロールに苦しみ調子自体はイマイチだったのではないだろうか?その中で良く粘ったとは思うが、5回2/3で121球を投げ、被安打6与四死球5の3失点(自責点2)という数字が残った。とにかく球数が多過ぎる。カウントを悪くする場面が目立ち、毎回ランナーを出すピッチングとなってしまった。こんな内容でよく3失点にまとめたと思う。(内川がいたら厳しかったかも…)調子の悪い時でもそれなりに試合を作るのが先発ローテーションを守る投手の役目である。そういう意味では良く粘ったと言えるのかもしれないが、ここ3試合ほどボールの走りが良かっただけに少し期待外れの投球になってしまったことも確かである。

リリーフ陣は、松岡が6回途中からマウンドに上がったものの八木の残したランナーを今宮に返されてしまい、勝ち越しを許してしまった。この一打は非常に残念だったが、その後のリリーフ陣は本当によく粘った。今シーズンはこういう競り合いのゲームになりづらいチーム状況なのだが、今日は同点という緊迫した状況で若手投手陣が奮闘した。
7回は山本哲、8,9回は秋吉、10,11回は岩橋、12回は石山と無失点で繋いで見せた。ルーキー2人が2イニングずつ投げるという苦しい継投だったのだが、どの投手も役割を果たしてくれた。
ルーキー2人は今日のMVPと言っても良いくらいの投球を見せてくれたと思う秋吉は2イニングとも三者凡退というパーフェクトリリーフを見せると、岩橋も負けじと2イニングを0で抑えてみせた。岩橋はピンチの連続だったが、10回も11回も最後は三振で仕留め、一打サヨナラ負けの場面を凌いで見せた。決して良い内容の投球ではなかったが、このシュチュエーションで2イニングを無失点で抑えたことを最大限に評価したい。
石山は松田にあわやサヨナラホームランという2塁打を浴びたが、こちらも後続を断って、何とか引き分けに持ち込んだ。6回に松岡が勝ち越しタイムリーを浴びたことによって、投手が足りず非常に苦しい継投となってしまったが、これがヤクルトリリーフ陣の現状である。明日1日休みがあるので何とか体力回復に努めてほしい。

打線は今日はソフトバンクの投手陣の前に沈黙してしまった。リリーフ陣が強力なだけにこの結果も仕方ないだろう。
先発のオセゲラはサウスポーから落差のある独特のカーブを中心に組み立てるNPBではあまりお目にかかれない投球パターンを持っている投手であり、もしかすると苦戦するかな?と思っていたが、初回から山田が2ベースで出てチャンスを作るとバレンティン、畠山のタイムリーでいきなり2点の先制に成功した。畠山を5番で起用した采配があった格好となった。理想的な点の獲り方だったと思う。
しかしその後はこのオセゲラに完璧に封じられてしまった。やはりカーブのキレは素晴らしく、特に左バッターには打ちづらい投手だったかもしれない。それでも初回に2点を先制していたのが効いてかオセゲラは4回の打席で代打を送られ降板となった。試合の流れから行くと4回に八木が失点しなかったら一気にヤクルトペースの試合になったかもしれないのだが、それを言っても仕方ない。
ここから出て来たソフトバンクのリリーフ陣がやはり強力だった。それでも2-3と逆転を許した後の7回、2アウトランナーなしから途中出場の川島が四球で出ると、中村のフェンス直撃のタイムリー2ベースで同点に追いつく。この攻撃も見事だった。本当に今シーズンはこういった接戦が少ないのでタイムリーの「1点」でこれだけテンションが上がる場面も久々だったのではないだろうか?2アウトランナーなしから川島、中村で奪った1点は今のヤクルト打線の調子の良さを感じさせる場面だったのではないだろうか?(その後のチャンスでもう一点欲しかったが…)

勝つチャンスがあったとすればこの7回の攻撃と10回の攻撃だったと思う。10回は2イニング目となったサファテから先頭の飯原が2ベースで出塁する。続く山田が送って、1アウト3塁となるのだが、ここから上田が三振、川端四球の後代打田中浩も三振ということでチャンスを活かすことが出来なかった。
おそらく今日のゲームの中でファンの中で意見が分かれるのが0アウト2塁の場面での山田の送りバントだと思う。私の意見はこの場面の送りバントには「反対」と言い切ることは出来ない。曖昧な表現になってしまうのだが、1アウト3塁を作るという策は、悪い策ではないと思う。山田は決してバントが上手くなく、打撃の調子も良いためもちろん打たせても面白かったと思うし、もしかするとソフトバンクからしても強攻策の方が嫌だったかもしれない。それでも延長10回の1点勝負の場面で送りバントを選択した小川監督の采配を批判することは出来ない。但しこの送りバントの結果が得点に繋がらなかったため、批判されても仕方ないというのもまた事実だと思う。すでにバレンティンがゲームから退いていただけに上田が結果を残さなければ苦しい場面だったことは間違いない。その上田の三振がやはり痛かった。

もちろん引き分けのゲームは勝つチャンスがあるゲームなのでファンからするともやもやした気持ちが残ってしまうのだが、今日は本当によくリリーフ陣が粘ったと思う。

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コメント

  1. ユウ より:

    この場面の山田送りバントは何とも言い難いですね。初回の上田にバントは絶対に反対ですが…。
    バント自体は良いとしても、リーグ屈指の成績を残している山田に送らせるくらいなら、上田に田中かもしくは三輪を代打に出して欲しかった気がします。

    今日は秋吉と岩橋のナイスピッチですね!

  2. FIYS より:

    > ユウさんへ

    やはりあの場面での送りバントは仕方ない部分もありますよね。個人的には1アウト3塁を作るためのバントは嫌いではありません。初回の上田のバントも相手投手がオセゲラということを考えると悪くない判断だったと思います。(オセゲラは左バッターがかなり打ちづらい投手だと思うので比屋根の先発でも良かったのでは?という気持ちはありますが。)

    秋吉、岩橋は厳しいシチュエーションで良く頑張りましたね。

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