怪物に出会った日

ボクシング


以前、このブログで井上尚弥のことを取り上げた際に、こんなことを書かせてもらっている。

『相撲漫画で「あゝ播磨灘」という漫画がある。この漫画の主人公は圧倒的な実力と破天荒な行動が売りの横綱播磨灘であるのだが、相手力士に感情移入してしまうようなストーリーになっている。井上は播磨灘とは違い、正統派ボクサーではあるのだが、あまりの強さから逆に相手選手に感情移入してしまいそうになることがある。こんな気持ちにさせてくれる日本人ボクサーは初めてである。これからの井上のボクシング人生がどのようなものになっていくのか非常に楽しみである。
元記事→井上尚弥に死角なし | ヤクルトファンの日記 (ysfan-nikki.com)

そんな私の気持ちに応えるような本が出版されていた。森合正範氏の「怪物に出会った日」である。
この書籍は、実際に井上とリングで対峙し、敗れたボクサーに直接取材をして、井上の強さを深掘りするとともに、各ボクサーの試合前、試合中、試合後の心境、変化が描かれている。「怪物」と言われる井上に挑んたボクサー達のストーリーが分厚く描かれており、あっという間に読み終えてしまった。非常に読み応えのある一冊である。

日本ボクシング史上№1と言って差し支えないであろう井上の物語は、様々な場面で目にすることが出来るのだが、敗者のサイドストーリーは中々見えてこないものである。この「怪物に出会った日」では、相手側にスポットライトが当たっており、これまで見えなかったものが見えてくる部分が多々あった。
個人的には「VS佐野友樹」、「VS田口良一」、「VSオマール・ナルバエス」、「VS河野公平」の章が特に印象的だった。
まだ「怪物前夜」だった井上に雑草魂で立ち向かった佐野、すでに日本タイトルマッチを経験したボクサーがスパーリングでアマ時代の井上に圧倒され、そこから日本タイトルマッチで激闘を繰り広げた田口、アルゼンチンの英雄、オマール・ナルバエスが語る井上評、妻と共に「怪物」井上に立ち向かった河野、どの物語も興味深いものばかりだった。相手ボクサーが語るからこそ見えてくる井上の凄さと、敗れ去っていったボクサーの物語は一見の価値ありである。上記のボクサー含め11名のボクサーが対井上について語っている。興味ある方には是非読んでみてもらいたい。おススメの一冊である。




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