2015他球団のドラフト

日本シリーズの真っ只中ではあるが、今日は試合がないので22日に行われたドラフト会議の他球団の指名に関する印象を記していきたいと思う。
こちらの記事も合わせて読んでみて下さい。→「2015年ドラ1 12人は誰だ!」、「2014他球団のドラフト

ソフトバンク ドラフト1位 高橋 純平(県立岐阜商) 右投右打 投手
・ソフトバンクに関しては、昨年も書いたのだが3軍がしっかりと機能するなど育成にも自信を持っていることが伺える指名となった。育成指名で1名大学生を指名したが、それ以外は全員高校生という指名となった。1位に関しても3球団で競合となった高橋純平を見事に獲得してみせた。高橋に関しては、即戦力にも成り得ると感じているが、分厚い選手層を誇るソフトバンクであればじっくり育成することも可能だろう。いいチームに入れたのではないだろうか
2位の小澤(日大三島)も高橋と切磋琢磨する中で育っていってもらいたい。

ヤクルト→「2015ヤクルト指名選手

日本ハム ドラフト1位 上原 健太(明大) 左投左打 投手
・高橋純平、小笠原慎之介を抽選の末外してしまった後で指名したのは長身左腕の上原だった。大学4年次はどうもパッとしない印象が残ったのだが、モノになれば物凄い投手になりそうである。
その他の選手も実力は大学生を中心に名の知れた選手の名前が目立った。2位の加藤(かずさマジック)は昨年の状態に戻れば即戦力に成り得ると思うし、3位井口(東農大北海道)、4位平沼(敦賀気比)、5位田中(日本文理大)、6位横尾(慶大)、7位吉田(東海大)、8位姫野(大阪偕星)という並びは非常に派手な指名に感じる。昨年のドラフトと併せて考えればバランスも悪くないと感じる。

巨人 ドラフト1位 桜井 俊貴(立命館大) 右投右打 投手
・巨人は「らしくない」地味な指名に落ち着いた。狙い通りの指名だったのか賭博問題の影響があったのかは分からないのだが、フワッとした印象が残った。桜井がどの程度のピッチングを見せてくれるのか楽しみではあるが、即戦力としてやれるかどうかは何とも言えないのではないだろうか?
個人的には7位の中川(東海大)の技巧派サウスポーが気になる存在である。

ロッテ ドラフト1位 平沢 大河(仙台育英) 右投左打 遊撃手
・ここの所面白いドラフトを見せてくれているロッテは今回も果敢に平沢を指名し、見事に獲得してみせた。平沢、成田(秋田商)、原(専大松戸)と甲子園を沸かした高校生3人と様々なタイプの社会人投手4人というのはちょっと投手に指名が偏っているかな?と感じるのだが、面白い指名であることに変わりはない。

阪神 ドラフト1位 高山 俊(明大) 右投左打 外野手
・ヤクルトファンからすると高山を持っていかれてしまった…という印象が強いのだが、全体的に見るとどうなのだろうか?とにかく高山が長くレギュラーを張れるような選手になってくれれば…という所なのだろう。
個人的には5位の青柳(帝京大)が好きなタイプのサイドスローである。180センチを超える長身サイドスローであり、先発としてもリリーフとしても期待できそうである。

西武 ドラフト1位 多和田 真三郎(富士大) 右投右打 投手
・西武は今年も独自路線のドラフトを展開してくれた。怪我の状態が気になる多和田を果敢に1位で指名し、その後の指名もかなり思い切った指名となっている。3位の野田(西濃運輸)は高校時代からキレのいい変化球を投げる名の知れた投手だったし、4位の大滝(花咲徳栄)も今年の甲子園を沸かせた名のある選手なのだが、その他の選手はどちらかというと無名の逸材が揃った印象である。2位の川越(北海学園大)含めて見たことのない選手がほとんどである。このドラフトが成功ドラフトと呼ばれるようなドラフトとなればスカウト陣は大いに評価されそうである。

広島 ドラフト1位 岡田 明丈(大商大)右投左打 投手
・広島は地元広島の広陵出身の上原に行くのかな?と思っていたのだが、1位指名したのは岡田だった。力感の無いフォームから素晴らしいボールを投げ込む。投手経験は少ないようだが、即戦力にも成り得る投手だと感じる。
その他の選手に関しては、個人的にはグッとくる選手が少ないのだが、高橋(花巻東)は、投手としての完成度が高いと感じるのでしっかり育ててもらいたい。

オリックス ドラフト1位 吉田 正尚(青学大) 右投左打
・オリックスはここ3年精力的なドラフトを続けている。今年も中々面白い指名となったのではないだろうか?1位の吉田のバッティングがどの程度通用するかは気になるし、2位の近藤(パナソニック)もリリーフとして期待できそうである。3位の大城(立大)は個人的には大好きな遊撃手である。オリックスには安達、西野という二遊間の選手がいるが、サード辺りで頭角を現す可能性もあるだろうか?
吉田(東海大相模)、佐藤(仙台育英)の甲子園を沸かせた投手を下位で2人獲得できたのも良かったのではないだろうか?欠点はあると思うのだが、潜在能力が高いことは間違いない。4位の青山(トヨタ自動車)、10位の杉本(JR西日本)なども個性的な選手である。魅力的な選手が揃った指名になったと感じる。

中日 ドラフト1位 小笠原 慎之介(東海大相模) 左投左打 投手
・中日は今年も社会人の即戦力候補中心の指名になった。その中で高橋純平を逃した中でも甲子園優勝投手の小笠原を獲得できたのは良かったのではないだろうか?150キロを超えるストレートを持っているサウスポーはそれだけで希少価値が高い。
その他では、3位の木下にレギュラー奪取の期待がかかるし、6位の石岡は打球に角度が付けば怖いバッターになりそうである。昨年、今年の大学、社会人の指名選手のサバイバルゲームが繰り広げられそうである。

楽天 ドラフト1位 オコエ 瑠偉(関東第一) 右投右打 外野手
・楽天は今年も派手な指名になった。ここ数年エース格に成り得そうな投手の指名が続いたが、今年は1位オコエ、2位吉持、3位茂木とタイプの違う野手3人を上位で獲得してみせた。その昔ダイエー(現ソフトバンク)が井口、松中、柴原を上位で獲得したドラフトを思い出した。躍動感の溢れるプレーを見せるオコエ、吉持。長打力のある茂木とどう成長するか楽しみである。
4位の堀内(静岡高)、7位の村林(大塚高)も4,5年後が楽しみな選手である。

DeNA ドラフト1位 今永 昇太(駒大) 左投左打 投手
・DeNAは、何と言っても1位今永、2位熊原(仙台大)の即戦力投手2人の指名が大きい。今永は怪我前の状態に戻るならば今ドラフトの№1サウスポーだと思うし、熊原は力強いストレートが武器であり、リリーフとしてなら即戦力だと感じる。
戸柱(NTT西日本)は捕手の層を厚くするという意図が伝わってくる指名だし、綾部(霞ヶ浦)、青柳(大阪桐蔭)は伸びしろがありそうな高校生である。狙い通りの指名が出来たのではないだろうか?

今年は、どのチームも可もなく不可もなくというドラフトになったチームが多かったのではないだろうか?それでもやはりパリーグのチームの方が面白い指名をするな?と感じさせてくれるチームが多いように感じた。個人的にはオリックスや日本ハムや楽天の派手な指名も好きだし、ロッテや西武の独自路線のドラフトも興味深い。選手層が厚くどんなドラフトをしても良い状況にあるソフトバンクの高校生オンリーの指名も素晴らしかったのではないだろうか?
セリーグの各球団は弱点を補うような指名が多かったように感じる。チーム状況に合わせた指名は出来たのではないだろうか?

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コメント

  1. k より:

    他球団のドラフトで良かったなと思うのはDeNAですかね、1位2位で今永・熊原と即戦力投手の左右を獲得してバランスも良いですね。
    去年も左右の山崎・石田で活躍してますから来年や再来年くらいは期待できそうですよね(球場が広ければ確実に上位にいけるのですがね)
    それと日ハム・ロッテ・オリックスなどのパ・リーグは甲子園を湧かせたり知名度が高い選手の獲得が目立ちますよね、人気がなかった頃が長かったから方向性もハッキリしてファンも応援したくなるドラフトですよね。
    ソフトバンクも育成に自信ある感じで毎年成功しているイメージですよね。
    そう思うとセ・リーグは巨人筆頭に良いドラフトとは言えないチームが多かったですよね、中日・阪神の1位指名は現場サイドの強い要求があった感じでしたが2位以下の指名とのバランスが悪くファンが楽しみにするような選手が少ないなと感じましたね。
    ますますパ・リーグとセ・リーグの力の差が開いてしまうのかなと懸念してしまいすね。ホームランを打つ人より足があって外れの確率が低い選手の指名が増えているように感じるのは自分だけでしょうか?

  2. trefoglinefan より:

     ヤクルトは100点満点だとして、ソフトバンクは余裕でしたね。川瀬を先に取られたのが悔しいですね。この2球団が双璧だったと思います。
     楽天は野手ばかりでしたが、これはこれで面白いと思いました。ここ数年高卒投手を地道にしっかり取ってきたからこそできることで、梨田監督の現役時代に、野手が投手を育てたのが思い出されます。これまで取った高卒投手がどれだけ出てくるかに注目です。
     訳が分からなかったのは巨人と阪神で、特に阪神は補強ポイントがまるきり滅茶苦茶ですね。高山は良い選手だから補強ポイントに関係なく取った、というのでしたら分からないでもありませんが、それにしたって伊藤や江越など何だか大卒外野手マニアみたいになっています。そして捕手にしたって梅野が居ながら坂本というのがさっぱり分かりません。この2人の指名は何だか現有戦力の育成放棄に見えて仕方ありません。私でしたら堀内を指名して梅野を我慢して育てるのですが。そして最も疑問なのが鳥谷の後継者と言われる内野手を1人も取らなかったこと。今の内野手で何年もやっていくつもりなのだろうか。こんなことをしていたら阪神に暗黒時代が訪れると思います。
     今年のヤクルトは他のセリーグの球団に比べて、しっかり将来を見通せるドラフトになりました。このようなドラフトを毎年やって欲しいですね。これに比べれば他球団はいささか行き当たりばったり感があったと思います。

  3. FIYS より:

    > kさんへ

    そうですね。どちらかというと今年もパリーグの方が魅力的な指名に感じましたね。

    どうしても俊足、好打の左打者は数自体が多いのでそういった選手の指名が増えてしまいますよね。失敗覚悟で長距離砲を指名し育てる意識を持つことは必要ですよね。

  4. FIYS より:

    > trefoglinefanさんへ

    やはりパリーグのチームの方が魅力的な指名が多かったですかね?

    巨人、阪神はやはり監督が変わった影響などもあるのでしょうかね?阪神は高山を獲得したことで若手を競争させる中で伸ばそうということなのでしょうか?個人的には5位の青柳は注目ですけどね。

  5. trefoglinefan より:

     とりあえずヤクルトの選手名簿にドラフト指名選手を当てはめてみました。そしたら見事補強ポイントに合致しました。それで他のチームはどうなのか気になって同じことをやってみることにして、セリーグの作業が終了したところです。
     そしたら巨人が案外まともで、広島がなかなか良い指名ができました。中日は高齢化の解消におらず、DeNAは過去から良く似た選手ばかり繰り返し集めている。そして全く的外れな阪神に分類できました。
     これからパリーグにも取り掛かりますが、これらも含め各球団、拙ブログで小出しにしていきたいと思います。

  6. FIYS より:

    > trefoglinefanさんへ

    また機会があればブログを覗かせていただきたいと思います。面白そうですね。

  7. trefoglinefan より:

     拙プログで順次記事にしているところですが、私なりに以下に報告させて頂きます。概ね5段階に分けたいと思います。

    A:ほぼ完ぺきに近い
    ・ヤクルト
    ・広島

    B:多少不満が残るもなかなかのドラフト
    ・巨人
    ・DeNA
    ・日本ハム
    ・楽天

    C:まあまあで可でもなく不可でもなく
    ・ソフトバンク
    ・オリックス

    D:やや不満
    ・中日
    ・ロッテ

    E:全く話にならない
    ・阪神
    ・西武

     ヤクルトがもの凄く良かったことは何度も述べてきましたが、広島も実に上手かったと思います。
     抽選に勝ったチームが決して高評価になっていません。上滑りが目立つからです。特にソフトバンクが高評価をつけられなかったのは、ほぼ完ぺきに見えるチームであるなかで、唯一の欠点と言える左投手を本指名しなかったからです。例年ならばこのことをスルーするのですが、今年は高卒の左投手が例年になく豊作だった点から、大きな減点になりました。果たして翌年以降に、このような年が現れるでしょうか。逆に言えば即戦力に目をつぶってでも、高卒左腕を2人も取りに行ったヤクルトは、大きなポイントを上げたと思います。勝って兜の緒を締めることを怠ったソフトバンクと言えるでしょう。
     DeNAは本来Cランクかも知れませんが、山本を育成で入団にこぎつけられそうなのが大きな加点です。とても育成指名する選手ではないのですが、育成でも入団するだけの根拠があったと私には思い当たるふしがあり、実に正しい見極めをしたところを評価したいです。
     ドラフトが本当に成功かどうかは、5年後にならないと分からないと言われます。しかしながらポイントを押さえた指名はやはりしたいですし、それでありながら選手が伸びなかったなら、それはファン目線では仕方のないところではないでしょうか。一方で補強ポイントから外れた指名をしてしまうと、その時点である程度先に見えてしまい、ファンとしては失望させられるところかと思います。スカウト目線でファンは見ることができないのですから。

  8. trefoglinefan より:

     DeNAの成功で述べましたが、ヤクルトは下位でも山本が残っていることに気づいて、育成を取らない方針を転換しても良かったと思います。
     山本は甲子園で突然出てきた感がありますが、プロ入りにかなり必死だったと思います。それには病気の父親の存在がある訳で、例え育成であっても入団したであろうと感じる根拠は正にここです。
     そういった選手ならば、日隈同様に死にもの狂いで二軍で研鑽に励むと思います。それこそ同期の廣岡と一三塁で、負けないくらいに頑張るのではないでしょうか。それこそ相乗効果が生まれます。そうすれば貴重な支配下登録選手の枠を、鵜久森に使う必要もありませんでした。
     奥村が入団する前の二軍の内野手は将来的に絶望に近かったです。逆に言えば奥村に加えて廣岡や渡邉が入ったとしても、山本まで受け入れる余地は残っていたように思います。

  9. FIYS より:

    > trefoglinefanさんへ

    お疲れ様です。ドラフトに関しては、ファンのかたがたによって様々な考え方があるので面白いですよね。ブログなどで記事を残しておくと数年後振り返ることができるので良いですよね。

  10. FIYS より:

    > trefoglinefanさんへ

    育成選手の扱いはとても難しいですよね。それでもプロの舞台で給料を貰いながらプレーできるのでしっかりとし育成方針が球団にあれば大学や社会人に行くよりも伸びる可能性はありますよね。

  11. trefoglinefan より:

    ・http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151119-00010004-fullcount-base

     私のドラフト評価はまさにここを見ている訳で、良いチームは二軍での育成戦略がはっきりしていると思います。
     この記事はパリーグ編ですが、そのうちセリーグ編も載ろうかと思いますので、楽しみにいたしたいと思います。ヤクルトはこれまでの二軍がいかに酷かったか、そして今年のドラフトでいかにまともに向かったのか、そのあたりがとてもよく分かる記事になろうかと思います。

  12. FIYS より:

    > trefoglinefanさんへ

    ありがとうございます。とても面白い記事でした。

  13. trefoglinefan より:

    http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151122-00010013-fullcount-base

     ヤクルトの若手野手に関しては、「枯渇」という凄い表現を使っていますね。でもそれが事実であった訳で、廣岡と渡邉が入って、やっとまともな方向に向かったのでしょうか。逆に奥村が入る前は、どれだけ悲惨であったかがとてもよく分かると思います。
     奥村が10万円減で更改したようです。逃げ出したりしていないか心配でしたので、そうした記事があるだけでもホッとしますね。怪我を治して来年は今年のドラフト組みと共にしっかり研鑽を積んで欲しいですね。貴重な左打ちだから尚更のことです。

  14. FIYS より:

    > trefoglinefanさんへ

    2011年に優勝を逃したことによって少しドラフトのバランスは崩れましたよね。それでも今シーズン優勝したことと高卒で獲得した野手がチームの主力になったことでまたチーム編成の流れは変わってきそうですよね。

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