第94回箱根駅伝振り返り

遅くなってしまったが、第94回箱根駅伝の振り返り記事を簡単に書いてみたい。
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戦前は青山学院、東海大、神奈川大の3強対決と呼ばれていたが、終わってみれば青山学院の層の厚さと箱根駅伝での経験値が他大学を上回っていた印象である。復路で逆転してからの走りは見事だった。箱根駅伝での4連覇という記録も素晴らしい記録である。それでは大学ごとにまとめてみたい。

優勝 青山学院大
・この4年間の中では最も厳しいレースになったと感じるし、東海大、神奈川大がミスなく繋げば、順位も入れ替わっていたかな?という気もするが、それでも本番でしっかり力を出し切れるのが、今の青山学院の強さである。個人的にポイントになるかな?と感じていた1区、2区、5区についてもどのランナーも合格点を与えられる走りを見せてくれた。特に2区森田の区間賞(ニャイロと同タイム)には驚いた。各大学のエース級ランナーを相手にこれだけの走りをするとは思わなかった。塩尻、鈴木、デレセらを抑えての区間賞ということで価値が高い。
そして6区小野田、7区林、8区下田の3連続区間賞で勝負を決めてみせた。毎回高いレベルのタイムで好走する小野田、下田は戦前からこれくらいはやるかな?と思っていたのだが、7区林の区間新記録、金栗杯受賞は個人的には驚きだった。森田や林のようなランナーが次々に現われるのが青山学院の凄さだし、原監督のスカウト力、育成力の凄さなのだと思う。

2位 東洋大
・2位の東洋大も素晴らしい駅伝を見せてくれたと思う。各ランナーが持っている力をしっかり発揮しミスなく繋いだという意味では、青山学院をも上回っていたのではないだろうか?1区西山、2区相澤、3区山本の走りは圧巻だった。西山は28分台が15人いる1区でしかも中々集団がバラけない展開で終盤のスパートで2位に15秒ほどの差を付けて区間賞を獲得した事が素晴らしかった。今後が楽しみな1年生である。個人的には今大会で最も印象に残ったランナーである。2区相澤の1時間7分18秒と言う記録も素晴らしいし、3区山本の田村を抑えての区間賞も見事だった。各ランナーが100点~120点の走りをした中での往路優勝だったと感じる。
復路は、6区今西、7区渡邉が奮闘したのだが、小野田、林の快走の前に逆転を許し、突き放されてしまった。それでも8区以降も粘りの走りを見せ、総合2位でまとめてみせた。10区間中4年生は1人だけと言う布陣であり、来シーズンが非常に楽しみになる戦いぶりだった。青山学院の原監督も名監督だが、東洋大の酒井監督も若くして名監督の仲間入りを果たしたと言って良いのではないだろうか?

3位 早稲田大
・上位2チームや戦前に優勝候補に名前が挙がっていた東海大、神奈川大と比べて戦力的に厳しいかと思われていたのだが、2区太田、5区安井の好走で上位に付け、復路は上級生が粘りの走りを見せてくれた。最近の早稲田大は、大エースがいなくても4年間掛けて20キロをしっかり走れるランナーを育てているように感じる。大崩れしないチームカラーが定着しつつある。永山が本調子ではない中での総合3位は価値がある。

4位 日体大
・私は、今年の日体大は「エース」、「山」に課題があり、厳しい戦いを強いられるのでは?と予想していたのだが、2区の城越が粘り、5区の小町が順位を大きく上げてみせた。秋山が抜けた6区で一旦は順位を下げてしまったのだが、それ以降のランナーが着実に繋ぎ、最終的には4位まで順位を上げて見せた。昨年に比べて、稼げるランナーが少ない印象だったのだが、全体的な走力では昨年のチームを上回っていたように感じる。7区以降のランナーの堅実な走りが印象に残った。

5位 東海大
・1区に關が使えなかった地点で少しずつ歯車が噛み合わなくなっていたのかもしれない。三上ー阪口ー鬼塚と並べたのだが、3区終了地点で6位というのは想定外だったはずである。春日、松尾も力んでしまったのか順位を落としてしまった。復路は6区中島、8区館沢の好走もあって順位を上げたが、10区川端が失速するなど最後まで噛み合わなかった印象である。各ランナーのスピードを箱根という舞台で発揮する事が出来るチームを作ることが出来るだろうか?来年、再来年は戦力的に優勝しなければならない立場のチームになるはずである。スター揃いの現2年生が箱根で輝く事が出来るだろうか?両角監督にとっても正念場となりそうである。

6位 法政大
・法政大学は2年続けて素晴らしい走りを披露してくれた。今年は今年で1区で出遅れ、2区板東も伸びきらなかったため、かなり厳しい展開だったと思うのだが、5区青木が区間賞の快走で順位を9つ上げると、6区佐藤も2年続けての好走で順位を上げて見せた。箱根駅伝の魅力は何と言っても5区6区の特殊区間にあると思う。その山で青木、佐藤が見事な走りを見せて、チームに勢いをもたらせてくれた。青木も佐藤も2年生と言う事で来年も強力な布陣となりそうである。

7位 城西大
今年最も予想外の走りを見せてくれたのは城西大だった。正直シード争いに絡める戦力ではないかな?と感じていたのだが、5区服部の積極的な走りで順位を上げると復路のランナーも粘りに粘り、最終的には総合7位でゴールに飛び込んで見せた。5区の服部は前半突っ込んで入り、最後はバテてしまったのだが、あの走りでレースの流れに乗る事に成功したのではないだろうか?レースの流れに乗れたからこそ、復路のランナーが粘れたように感じた。服部のダイナミックな走りは非常に印象に残った。来年も5区で是非見てみたいランナーである。潜在能力は高そうである。

8位 拓殖大
・ここ数年箱根ではうまく噛み合わなかった印象が強かったのだが、今年は主力を往路に並べ、しっかり往路を4位で終える事が出来、ほぼ想定していたレースプランで運べることが出来たのではないだろうか?5区適性の高いランナーを育成する事が出来れば、もう少し上位も伺えるはずである。

9位 帝京大
・1区~3区の耐える区間を何とか凌ぎ、4区以降で攻勢をかける事に成功した印象である。課題の1つと思われていた5区6区も平田、横井が良い走りをしてくれた。特に6区横井の力強い走りは印象に残った。獲るべくして獲ったシード権という印象である。

10位 中央学院大
中央学院は誤算の多いレースになってしまったのではないだろうか?2区高砂が使えず、3区の横川も失速してしまったため非常に厳しいレースとなった。それでも計算の出来る5区細谷、6区樋口で巻き返し、シード圏内を確保した。しかし9区広、10区藤田が苦しい走りになるなど思い描いたレースとは程遠い結果となってしまったのではないだろうか?それでもシードを確保した所にチームとしての地力は感じたが…

11位 順天堂大
・1区栃木、2区塩尻という並びが不発に終わってしまったのが、シードを逃す1番の要因になってしまったのではないだろうか?塩尻は思うように身体が動いておらず、重たい走りになってしまったし、栃木はペースメーカー的な存在となってしまい、体力を使ってしまう事となってしまった。順天堂大が誇る2枚看板で上位に付ける事が出来なければ苦しいレースになるのはやむを得ない。5区山田の好走などもあったが、シードには届かなかった。
個人的には花澤が最後の箱根に間に合い、10区を走ったことが印象に残った。難病に苦しんでいたようだが、今後の競技生活で潜在能力が花開く事を期待したい。

12位 駒沢大
・工藤を2区で使えなかったことにより、苦しいレースとなってしまった。2000年代の駒沢大学は、各ランナーが大きなブレーキなく繋ぐ駅伝で常勝軍団を築き上げて行ったのだが、最近はどうしてもミスが出てしまう。結局工藤も走りのバランスを崩しており、本来の調子からは程遠い内容の走りになってしまった。この状態の工藤に頼らざるを得なかったと言うところが今の駒沢大学の厳しい現状を表しているのだと思う。

13位 神奈川大
・5区荻野の大ブレーキで一気に順位を下げてしまった。厳しい展開の中でも8区秋沢、9区大野、10区枝村がまずまずの走りを披露していたため、往路を上位で終えていれば十分優勝争いに絡む事が出来たと感じる。しかし山藤、鈴木の2枚看板がいる今年に関してはシードを落としてはいけない年だったことは間違いない。来シーズン以降もう一度這い上がる事が出来るだろうか?

15位 中央大
・私が個人的に応援している中央大は、15位に沈んでしまったがチーム再建と言う意味では、最後までしっかり襷が繋がったという事で意味のある箱根駅伝になったと感じる。特に往路はエース格の船津、堀尾、中山を1区~3区に並べるなど攻撃的なオーダーでシード圏内で芦ノ湖に飛び込む事が出来た。復路の駒不足は否めなかったが、悪いレースではなかったと感じる。

終わってみれば青山学院の圧勝という形になったが、来年以降は更に混戦模様になる事が予想される。5区に関しては距離が短くなっても重要性は変わらず、今後も各大学は対策に苦心する事になりそうである。今年も面白いレースを見る事が出来たと感じている。

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