想定内のゲーム展開ではあったが最後が…

ヤクルト1-2日本ハム

今シーズンの交流戦の快進撃を支えてきたのは間違いなく投手陣である。先発投手がある程度試合を作り、リリーフ陣が粘ってゲームを崩さず、接戦をものにするパターンが多かった。今日も先発の山中が試合を作り、勝ちパターン継投に持ち込む展開には持ち込めたのだが、ホームラン2発に泣く形となってしまった。そして9回には一打同点、勝ち越しのチャンスでミスが出てしまい、今シーズンの交流戦初の連敗となった。

先発の山中は、苦しみながらも良く粘ってくれた。ピンチの連続ではあったのだが、3回の近藤のソロホームラン以外は失点を許さず、5回で106球を投げ、被安打6(被本塁打1)与四死球3の1失点という数字が残った。数字を見るに良くはなかったと思うのだが、それでも5回1失点であれば合格点を与えられる。ランナーを許してからも冷静に自分の投球が出来ていたのではないだろうか?
リリーフ陣は6回から風張ー近藤ー中尾と繋いだ。風張、近藤が無失点で繋ぎ、8回から中尾が登板したのだが、その中尾が横尾に勝ち越しソロホームランを浴びてしまった。甘いボールではあったのだが、これは打った横尾を誉めるべきだろう。中尾のボールのキレという意味では心配な部分もあるのだが、今ある戦力でやり繰りしていくしかない。

投手陣がしっかり試合を作ってくれていただけに打線に奮起してもらいたかったゲームではあるのだが、今日は日本ハム投手陣を打ち崩す事ができなかった。先発村田とアクシデントによってスクランブル登板となった井口からしっかり得点を上げなければならないゲームだったのだが、3回の川端のダブルプレー崩れによる1得点のみに終わってしまった。
そして今日のゲームの問題のシーンである9回表の攻撃となるのだが、この回の小川監督の選手の起用法は中々興味深い起用法ではあった。山田がスタメン落ちをしてしまった西武戦からかなり積極的に選手交代のカードを切っている印象があったのだが、この回も0アウト1,2塁のチャンスを作るとまずは1塁ランナーの畠山に代えて代走井野を送り、打者坂口には代打三輪を送ってきた。三輪がきっちり送りバントを決め、1アウト2,3塁とチャンスを広げると今度は3塁ランナーを雄平に代走田代を送るとともに打者中村に代打藤井を起用してきた。1点ビハインドで迎えた9回ではあったのだが、首脳陣はこのイニングに全てを賭けるような選手起用をしてきた。DH制のゲームだからこそ思い切って仕掛けられた部分もあるとは思うのだが、結果的には最後に起用された藤井、田代がベンチの期待に応えることが出来ず、三振ゲッツーという形で試合が終わってしまった。
リアルタイムで試合を観ていないので分からない部分もあるのだが、この采配はどういう意図があったのだろうか?おそらく0アウト1,2塁のチャンスを作った地点で1アウト2,3塁という場面を作って、一気に逆転を狙う作戦だったと思うのだが、それならば畠山への代走は三輪や藤井、田代、上田、もしくは山田でも良かったように感じる。ここが井野だった意味は何だったのだろうか?と考えると最初から中村には代打ありきで考えていた可能性が高いだろうか?中村に代打を出すということは、どうしても捕手を交代しなければならないため、1人の選手も無駄に出来ないと考え、井野を代走に送ったと言う事なのだろうか?この辺りは試合を観ていた方で説明できる方がいればコメント頂けるとありがたい。
そして1アウト2,3塁となった後で代走田代、代打藤井と言うのもイマイチ意図が分かりづらい起用法だと感じる部分もあった。田代は確かにスピードはあるが、走塁のスペシャリストという印象は薄く、どちらかというと身体能力の高さを活かしてプレーしている選手だと感じるため、雄平を代えてまで起用する必要があったのか?というのが1つ。そして中村を代えてまで藤井を起用する必要があったのか?というのが2つ目である。藤井はユーティリティープレーヤーではあるのだが、バッティングに関しては、どちらかというとしっかり振り切るタイプであり、決して小技が上手い選手とまでは言えない印象がある。単純にバッティングに期待して起用したという事であればある程度は納得できるのだが、最後の場面が最後の場面だっただけに何か小細工をしようとしていたのか疑ってしまう部分もある。でもやっぱりおそらくあくまでも中村の打力よりも藤井の打力の方が上と感じて起用したというシンプルな理由なのだと思う。藤井がそれに応えられず、田代は気持ちが前に行き過ぎたと言う事なのだろう。最後の最後に藤井、田代の経験の少なさと、日本ハム鶴岡の経験値の高さによって明暗が分かれることになってしまった。ベンチの采配で勝ちを手繰り寄せようとしたのだが、失敗に終わってしまったというところだろうか?
それにしても鶴岡の素早い送球は素晴らしいプレーだった。ベテラン捕手らしさ満載のプロのプレーだった。


P.S 楽天は梨田監督が辞任したのですね。リリーフ陣が固まらない事と打撃陣の不調が低迷の要因ですかね?今日の則本での負けゲームを見ていると昨シーズンのヤクルトを見ているようで胸が痛くなる部分もありました。しかし楽天は岸、則本の2枚看板がある程度機能しているため、V字回復は難しいかもしれませんが、上手く戦えば今後のゲームを5割程度の成績で凌ぐ可能性はあると感じています。梨田監督は自ら退き、チームを一旦リセットする事の方がチームにとってはプラスになる要素が大きいと判断したのですかね?真中監督とはまた違った責任の取り方ですよね。

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コメント

  1. sabo より:

    地足にスライディングやセンス含めてチームで一番走塁上手いのは山田しかいない
    絶対に同点にするつもりなら何故使わなかったのか?
    それか代走三輪でピンチバンター上田

    まあ結果論ではありますが。。。

  2. k より:

    惜しい試合でしたが勝てたかなという内容でしたね(チャンスで4番バレンティンがブレーキが大きかったですね)。
    日ハムの村田がアクシデントでの降板がなければ5回で捕まえれたかなという感じでしたかね(山田の離脱が響いてますね、スタメン外れて1勝3敗ですしね)
    九回の攻撃に関してはあれだけ選手交代すれば疑問が残りますよね、西武戦でも同じようなやり方してましたから小川監督が交流戦優勝に拘っているのが分かりますかね(代走に関しては上田も山田も残ってましたから采配は謎ですけど)。結果論なので今回は仕方ない部分もありますが藤井も田代に経験不足かなと感じましたね(交流戦は全てが上手くいきすぎていたので、これが実力だと思います)。
    それと谷内がスタメン起用だったので期待したのですがバント失敗と無安打でダメでしたね(次は左なので谷内に最後のチャンスを与えて欲しいですかね)
    次の日ハムは加藤なので交流戦2敗してる投手ですし、得意の左なので序盤でKOしないといけませんね(雄平外して畠山・荒木・谷内の右を並べてもいいですね)日ハムはトンキンと宮西は良さそうですが抑えの有原が不安定すぎるので1点差の九回なら勝てる要素はあると思いますね。小川は投げる度に良くなってるのでQSは可能でしょうから交流戦優勝は日本人エースの小川が全てですかね。

  3. FIYS より:

    > saboさんへ

    9回の采配に関しては、先手を打っているようで後手後手の采配になっていたようにも感じますよね。同点に追いついた後のことを考えた部分もあると思うのですが、少し分かりづらい采配でしたよね。

  4. FIYS より:

    > kさんへ

    最後の場面はちょっと不思議に感じる采配でしたが、最終的には藤井と田代の経験不足ということなのでしょうね。昨シーズン断トツ最下位のチームが交流戦で最高勝率争いを演じることが出来たことは大きいですよね。

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