村上宗隆と高橋奎二

ヤクルト2-4広島

今日の敗戦で対広島戦の成績は5勝17敗となってしまったのだが、プロ初スタメンとなった村上の初打席初ホームラン、プロ入り2度目の登板となった高橋の好投があったため、負けゲームでもファンが夢を見られるゲームとなった。そしてCSに向けてという意味でも光が見えるゲームとなった。今日は村上と高橋2人について書けば十分だろう。

村上は昇格即スタメン出場となった。今シーズンは2軍でじっくり育てるチーム方針とのことでオープン戦で1軍体験的に神宮球場でのゲームに出場して以降は、2軍で実績を積んできていた。2軍とは言え3割近い打率に17本塁打と結果を残し続け、このタイミングでの1軍昇格となった。これは決して体験的な意味合いではなく、チーム事情を考えた中で戦力として1軍に呼ばれた形である。だからこその6番サードでのスタメン起用となったはずである。
その村上は初回先頭の野間のサードゴロをいきなり悪送球してしまい、4点を失うきっかけを作ってしまった。ファーストプレーでのミス、そのミスが大量失点につながってしまったということでパニックに陥ってしまっても仕方ないような状況になってしまったのだが、そんなシチュエーションで迎えた2回の初打席で追い込まれてからの岡田のフォークを完璧に捉える2ランホームランを放ってみせた。首位広島とのゲーム、まだまだCS争いも分からないという大事なゲームでの一発。こんな場面での一発を見せられたら興奮せずにはいられない。最高にテンションの上がる一発だった。
結局村上はこのホームラン以外はノーヒットに抑え込まれてしまったのだが、選球眼が良く、1軍クラスの投手のボールもしっかり見ることが出来ていたし、ストライクのボールには積極的にスイングを掛けることが出来ていた。コンタクト率も悪くない印象である。サードの守備はまだまだ危なっかしいのだが、それでも9回までフル出場を果たし、今後のゲームでも出場機会を得られるだけのプレーを見せてくれた。
高卒ルーキーでこれだけの期待感を抱かせてくれる野手は12球団を見渡しても(と言うよりは歴代の高卒ルーキーを見渡しても)中々いないものである。打席での雰囲気は筒香やT-岡田、もっと言えばペタジーニのようなどっしりとして雰囲気である。この選手は絶対に育てなければならない逸材である。長距離砲としてメジャーに挑戦できるくらいの潜在能力の高さを感じさせてくれる。もちろんまだまだプロの壁にはぶつかると思うのだが、将来だけでなく、今シーズンという意味でもどの程度やってくれるのか楽しみになってきた。スーパールーキーである。

そして今日のもう一つの楽しみは高橋のピッチングだった。前回の中日戦では失点を重ねながらも自分自身の投球をしっかり披露してくれた高橋が王者広島相手にどの程度の投球をしてくれるか?という部分に注目が集まっていた。初回こそ村上のエラー、雄平の落球などで失点した直後にバティスタに3ランを浴びてしまい、一挙4点を失ってしまったのだが、その後はキレのいいストレートと変化球で広島打線を抑え込んでみせた。前回の登板時の記事にも書いたのだが、「高校時代の高橋のピッチングスタイルからは想像できない本格派の投手に成長したな。」という印象である。村中であったり、石井一久が1軍にデビューしたての頃に感じたような魅力を感じさせる高橋の投球内容だった。
特にスライダーのキレが抜群であり、このボールが左バッターには脅威になるのではないだろうか?これ以上失点すればゲームが決まってしまう2回のピンチで丸から三振を奪った場面は高橋の将来性を感じさせるに十分な場面だった。外角のストレートと同じ軌道からボールに変化するスライダーと左打者へのインスラの使い分けは見事だったし、狙って三振を奪える投手だと感じた。こちらも前回の記事で書いたのだが、まだまだ線が細く、肩の故障歴もあることからフィジカル面とスタミナ面で課題が残っているのだが、投げるボール自体はすでに1軍で通用するだけのものを持っている。また2試合続けて5イニング以上100球以上を投げることが出来たこともプラスポイントである。ヤクルトに久々に現れた左の本格派だけに大事に育ててもらいたい。

村上宗隆と高橋奎二、他球団ファンの方々も是非この2人の名前を覚えてもらいたい。CS進出に向けてまたCS突破に向けてもしかすると救世主的な存在となるかもしれない。

P.S 今日の広島戦に高橋をぶつけることは間違っていなかったと思うのですが、これだけの投球を披露されると広島戦の秘密兵器として隠しておく手もあったのかな?などと言ったことまで考えてしまいました。それほどまでに魅力にあふれた投球内容でした。

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コメント

  1. sabo より:

    高橋は7奪三振と素晴らしい奪三振能力を見せてくれたし、村上はいきなりホームランですからね
    ほんと楽しみになりますよ

    特に村上は打った後に人差し指を上げてましたからね、大物過ぎる(笑
    それに広島バッテリーは試合中盤からもはや村上を一番にマークして複数の変化球攻め。その変化球をまた村上が捉えてセカンドライナー(菊池のファインプレー)ですからねぇ。(相手チームの研究が進めば変わるかもですが)今の時点で打撃は通用すると言い切ってよいかも。残り試合はスタメンにするか代打の切り札にするか……悩みそうです。はぁ、村上凄すぎる。。。

    それにまだ村上には盗塁がありますからね。早く見てみたいです

  2. 南国燕 より:

    お疲れ様です。
    衝撃デビューでしたね村上!久しぶりに打った瞬間鳥肌たちました。
    最終打席の甘い球はミスショツトでしたがタイミングは合っていたかなと思います。
    今後の楽しみ方が1つ2つと増えていくのはファンとして最高ですね。
    しかし…広島には弱いですね。

  3. k より:

    まず村上に関しては構えやスイング見ても、ほぼ筒香ですね。
    この日の岡田は調子良かったのにも関わらずホームランですから少しでも球威や実力が落ちる投手であれば今の状態なら神宮では打つでしょうね(戸田の方がホームラン出にくいと思うので)
    まだ1試合なので分からないところが多いですが岡田の真っ直ぐに差し込まれていたので速球を打てるのかと左投手にどうなのか次の阪神・巨人で期待して見てみたいですね。これでサードのポジションは村上を育成させるため我慢して起用するでしょうから川端のレギュラーサードはなくなるでしょうね(大引は内野の守備固めで広岡もショートで西浦と競争か外野転向、宮本はユーティリティになるかなと予想します)
    それと高橋圭は前回より良くなってますね自責点0ですし、特に左へのスライダーの曲がりが大きく腰が引けてバッティングさせてないのと空振りを取れるのとが分かってきましたね、課題は右ですがクロスファイヤーがあるので膝元からのインスラで空振りを取れてチェンジアップがコントロール出来れば右打者も克服できるかなと(次も広島相手でも勝てる可能性はあると思いますね)
    あと残念なのは雄平と山田の守備ですね、雄平は以前からセンターよりのフライを自ら取りにいきますが何度か落球してるのでセンターに任せるとかしないとダメですね(外野の守備固めが上田だけでは少ないので武内を落としたので田代か塩見あげてもいいかなと)、山田もトンネルがあった翌日にエラーとは反省してないですね(センターラインがこれなら守備固めで大引か奥村を起用してもらいたいですね)
    今週は4勝1敗1分は上出来ですが広島に負けすぎとバティスタに打たれ過ぎでストライクで勝負し過ぎです(ホームランは井野の配球ミスですね追い込んでから真っ直ぐは無いですね)
    次は9連戦前ホームで岩貞・田口と思いますがブキャナン・小川なので勝たないといけませんね(岩貞の時に青木出るのか気になりますね)特に阪神は神宮では打つので投手が三点以内に抑えたいですね。

  4. FIYS より:

    > saboさんへ

    高橋、村上は本当に楽しみな選手ですよね。今シーズンの戦力としてどの程度やってくれますかね?

  5. FIYS より:

    > 南国燕さんへ

    私も村上のホームランには大興奮しました。

    広島との差はほんの僅かですが縮まってきていると信じたいです。

  6. FIYS より:

    > kさんへ

    村上は派手なデビューだったからこそ今後の起用法は難しくなったかもしれませんね。守備はまだまだこれからの選手ですからね。

    高橋も楽しみですね。

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